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元モーレツ営業マンまさかの再就職先 定年後の男の価値観が変わる

【明日のベストセラー(60)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 6月は「父の日に読みたい家族を描いたマンガ」というテーマでピックアップする。

  • 「はたらくすすむ」
    「はたらくすすむ」
  • 「はたらくすすむ」

読了後、タイトルの意味が胸に響く

   第60回は、定年し妻に先立たれた男性が、ひょんなことから風俗店で働くことになる「はたらくすすむ」(著・安堂ミキオ)。主人公の「進」は真面目一徹、定年まで下着メーカーの営業を勤め上げた元モーレツ社員。温厚・純朴な性格だが、長年に渡り家庭を顧みず、子供たちとの関係は希薄。申し込んだ清掃員のバイト先がピンクサロンだったことから、風俗店という未知の世界に足を踏み入れる。

   お金のために働く女性たちや、男性客と向き合っていくなかで、過去の自分にはなかった気づきを1つずつ得て、60代になっても新しい価値観で進んでいく進の姿が愛おしい。全4巻で、進の「父として」、「店の一員として」の成長が過不足なく描かれ、読み終わる頃には作品タイトルの意味が、より強く胸に響く。老若男女問わず、多くの人に読んでほしい作品だ。第1話はこちら