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マイナンバーカード「全国民へ」は遠い 救世主「アーニャ」にすがりつくが

   マイナンバーカードの申請状況は約8000万件、人口に対する割合は約63.7%。これは総務省が公表した、2022年12月18日時点での数字だ。政府は「令和4(2022)年度末には、ほぼ全国民に行き渡る」ことを目標に掲げているが、残り3か月で達成できるか。

   総務省は「マイナポイント第2弾」の対象となるマイナンバーカード申請期限について、12月末から来年2月末に延長すると12月20日に発表。同時に、人気テレビアニメ「SPY×FAMILY」を起用したコラボレーション企画を開始した。

  • 「SPY×FAMILY」コラボキャンペーン実施中
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  • 「今年の顔」で普及促進

「SPY×FAMILY」が広告やキャンペーンに

   最大2万円分のマイナポイントが獲得できる第2弾は、2022年6月末に本格的に始まった。当初の申請期限は9月末だったが、12月末まで延長した。今回で2度目の延長になる。

   日本経済新聞の22年12月20日付記事によると、松本剛明総務相は延長理由を「期限を前に申請数が急増し、自治体の窓口が混雑している」とした。また、今回が最後の延長とも話しているという。

   延長と同時に発表された人気アニメとのコラボ。「SPY×FAMILY」は、「2022ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされていた、言わば「今年の顔」でもある。

   発表資料によると、若い世代を含む全世代にマイナンバーカードについて知ってもらうため、「SPY×FAMILY」を活用したさまざまな企画を実施するという。例えばツイッターキャンペーンや、東京・渋谷エリアでの巨大広告、SNS連動型街頭イベントを行う予定だ。

11月末時点の交付率5割強

   マイナンバーカードは、2022年6月末の「人口に対する交付率」は全国で45.3%と、過半数に満たなかった。11月末時点での「人口に対する交付枚数率」を見ると、53.9%まで上昇した。それでも、ようやく半数を超えた程度だ。なお、記事冒頭の「8000万件」「63.7%」という数字は「累計申請数」で、交付された枚数ではない。

   河野太郎デジタル相は普及を加速させるため、24年秋に現行の「保険証」の廃止を目指し、マイナ保険証の事実上の義務化を10月13日に発表した。

   共同通信は12月20日、政府はマイナポイント第2弾の延長と「SPY×FAMILY」コラボと合わせて、「従来型の保険証」での受診料を来年4~12月末まで特例的に値上げする方針を固めたと報じた。6円程度の引き上げになるとしている。マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」は、据え置くという。