J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

大阪松竹座のジャニーズJr.公演で転売対策 定価以上のチケットは入場お断り

   「定価を超える価格で取引されたものと特定されるチケットでの入場をお断り」――。CDデビュー前のジャニーズアイドルによるコンサート「東西ジャニーズ Jr. Spring Paradise」公演にあたり、大阪松竹座がこんな案内を打ち出している。

   大阪松竹座での「Spring Paradise」公演期間は2023年2月18日から4月2日。初日前の2月17日に、上述の対応を行うと発表した。さらに不正転売の防止を目的として、適時身分証明書により入場時に「本人確認」を行うという。

  • 大阪松竹座がチケット高額転売にメス
    大阪松竹座がチケット高額転売にメス
  • 大阪松竹座がチケット高額転売にメス

チケット購入時の名義と来場者が一致しているか

   高額で転売されたチケットによる入場の制限や本人確認を実施するとの告知は、2月18日ごろからツイッターのジャニーズファンの間で話題になった。「どれくらい(の転売チケット購入者が入場時点で)弾かれたんだろ」と気になっている様子のツイートや、公演来場者に向けて「本人確認ありましたか?」と質問する投稿が続出した。

   対策の内容について、運営の松竹に取材した。広報は、不正転売防止効果への影響の懸念を理由に、具体的な対策の詳細については回答を差し控えた。

   同広報によると、2019年6月の「チケット不正転売禁止法」施行以降、松竹では主催公演チケットの不正転売を防止・抑止するためにさまざまな取り組みをたびたび実施してきた。

   今回は大阪松竹座が2~4月に予定している公演のチケットの一部が、インターネット上の転売サイトやSNSでの個人間の売買により、定価を超える価格で不正に出品されていたという。この状況を鑑みて、チケット購入時の名義と実際の来場者が一致しているかをチェックするため、本人確認を実施するに至ったとの説明だ。

1~2月には逮捕事案も

   松竹広報によると、同社では警察機関との情報共有や捜査協力をはじめとして、チケット不正転売防止のための取組みを継続的に進めている。23年1月30日と2月10日はそれぞれ、同社が主催する歌舞伎や演劇のチケットを不正で高額転売したとして、チケット不正転売禁止法違反の疑いによる逮捕事案が発生したと発表している。

   定価を超える金額でチケットを購入しても利益は不正転売業者に渡り、キャストやスタッフを含む公演製作者や興行側には「一切還流されません」と広報は語る。このような行為や高額転売の構造は、「継続的に良質な作品を製作し続ける事を困難にする」と考えているという。

   チケットの不正転売は逮捕者が出ている犯罪行為だと認識したうえで、定価を超えて不正転売されたチケットを購入しないよう呼びかけた。