J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「マスク着用は個人の判断」 鉄道、バス、映画館、デパート、企業の対応は

   マスクは着用しなくてもいいのか――政府が新型コロナ対策を転換したことで、2023年3月13日からマスク着用が自由化される。マスクの着脱は、基本的に個人の判断となるが、企業や業界団体、公共交通機関などの対応は微妙に異なるようだ。

  • 電車内でのマスク着用も変わる
    電車内でのマスク着用も変わる
  • 電車内でのマスク着用も変わる

着用を求める車内放送は取りやめ

   読売新聞によると、JRや私鉄各社でつくる「鉄道連絡会」は7日、新型コロナウイルス対策のガイドラインを改定した。

   着用は利用客の判断に委ねる考えで、ガイドラインから「(各事業者が)マスクの着用への協力を利用客に呼びかける」とする記載を削除した。

   改定を踏まえ、JR東日本では13日から着用を求める駅や車内での放送を取りやめる。ただし、利用客と接する駅員は引き続き着用する。

   時事通信によると、航空機内のマスク着用については、国内航空各社が加盟する定期航空協会が2月、乗客乗員とも個人の判断に委ねると発表。日本バス協会は3月1日、マスクの適切な着用を呼び掛ける記載が削除された新たなガイドラインを公表した。

「せきエチケット」の動画上映

   しかし、13日から一斉にマスクなしでOKとなるわけではない。東京新聞によると、バス会社は当面、通勤時間帯などの混雑時は着用を推奨する。

   映画館などでつくる全国興行生活衛生同業組合連合会13日から新ガイドラインを運用。マスク非着用者も入場可能にするが、一方で、せきやくしゃみをハンカチなどで押さえる「せきエチケット」の励行を訴える動画「映画観賞のための『思いやりエチケット』」を制作し、上映前に流すという。

   朝日新聞によると、これまで、観客に劇場内でマスクを着けるよう求めてきた演劇界でも、業界団体がガイドラインを「個人の判断に委ねることを基本とする」と改める。ただ、公演主催者ごとに判断の異なるケースも、既に出ている。

   松竹は13日以降、東京・歌舞伎座など直営劇場では、観客のマスク着用を「推奨」とすると発表した。政府方針を尊重しつつ、「飛沫(ひまつ)感染リスクの軽減効果」や、観客の「安心感」に配慮した結果という。

医療機関はマスク着用

   「日本チェーンストア協会」や「日本百貨店協会」などの小売業界団体も、利用客の判断に任せる方針だが、大手デパートなどは、接客する従業員のマスク着用を続ける。

   NHKによると、一般企業の対応は分かれている。トヨタ自動車は、3月13日以降は、屋内や屋外を問わず工場やオフィスなどの職場でマスクの着用を個人の判断に委ねる。一方、富士通は、会議室などの職場で会話をする際に、2メートル以上の距離が保てない場合は引き続きマスクの着用を求めるという。

   政府は、医療機関受診時や、高齢者等重症化リスクが高い者が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時は引き続きマスク着用を推奨している。

   神奈川県はウェブサイトで、「3月13日以降も医療機関内では、いつもマスク着用」と、これまでの方針が続くことを告知している。