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「本格スパイスカレー」に早変わりの魔法 激安レトルトカレーにかけてみたら

   子どものために甘いカレーを作ったが、本当は辛いのが食べたい――。家庭を持つ人なら、こんな悩みを抱いた経験があるのでは?この「家庭内カレー問題」を解決する食品が登場した。「コウダプロ」(福岡市)が2023年4月4日に発売した「大人のカレースパイス」だ。

   20種類の香辛料を配合しており、甘口カレーにふりかけると、本格スパイスカレー味に変わるのだという。なら激安レトルトカレーでも、本格的なカレーにパワーアップできるのではないか。カレー大好き人間ことJ太はさっそく実験してみることにした。

  • 「大人のカレースパイス」
    「大人のカレースパイス」
  • 「大人のカレースパイス」

業務スーパーで手にしたのは

   というわけで、業務スーパーへ。安い食材が欲しいときに便利な店だ。手に取ったのは、ハチ食品(大阪市)「カレー専門店のこだわりのカレー 甘口」。価格は78円(税込、以下同)で、コストパフォーマンスの高さが際立つ。

78円で販売されていた「こだわりのカレー 甘口」
78円で販売されていた「こだわりのカレー 甘口」

   開封し加熱、まずは何も加えずに食べる。そのままでもうまい!が、甘口ということもあり、スパイスの香りや刺激感はあまり強くない。「君はもっと『本格的』になれるはず」。そんな熱い思いを、一人で勝手に抱く。

   そこで、「大人のカレースパイス」の出番だ。エプロンを着た女性のかわいらしいイラストが印象的。「ふりかけるだけで本格スパイスカレー味」とのうたい文句が心強い。

   キュートなパッケージと裏腹に、中身を開けると刺激的で豊かな香りが一気に漂ってくる。いくつものスパイスが配合された茶色い粉。また、「クミンシード」とおぼしき香辛料がホールスパイス(砕かず原形のまま)で含まれているのに気付いた。

   カレーらしいエスニックで辛い香りや、苦味を特徴とする植物だ。粉状にせず、あえてホールで入れる点に何かこだわりを感じる。

カレーを思わせるエスニックな香りと辛み・苦味
カレーを思わせるエスニックな香りと辛み・苦味

甘口カレーが大変身

   「大人のカレースパイス」を「こだわりのカレー」に入れ、スプーンで混ぜる。ちなみにこの作業、全て編集部のオフィス内で行なっている。キーボードの打鍵音が鳴り響く社内に、突然漂うスパイス臭。どこからか「めちゃくちゃカレーのにおいがするんだけど」と驚きの声が上がる。

   口にすると、先ほどは感じなかったインドカレーのような強い香りが、鼻を抜けていった。別物のカレーがごとく変貌している。

   ハチ食品「こだわりのカレー」は赤ワインやきのこを使っており、甘口ということもあってか、もともとシチューに近い味がするカレーだ。そこに加わるスパイスの複雑な香り。そしてクミンシードを噛み潰したときのプチっとした触感や遅れてくるほのかな苦み。本来の甘みがこれらと融合し、深みのある味わいとなった。

本格スパイスカレーに早変わり?
本格スパイスカレーに早変わり?

突然のカレーのオファーに

   前情報無しに食べれば、元が「78円」のカレーとは気付かないかもしれない。場所は編集部。カレーの詳細は明かさずに社員に食べてもらい、「何円するカレーだと思う?」と感想を聞いてみよう。

   J太と同じフロアに勤務する社員Aに話しかけてみる。余談だが、J太は社員Aとほとんど会話したことがない。実質、ファーストコンタクトだ。

J太「あの、カレーを食べませんか?」
社員A「カレー!?」

   そりゃ驚くだろう。まともに会話したことのない社員が近づいてきたかと思えば、脈絡もなくカレーを差し出してくるのだから。驚きながらも「ちょっとだけなら...」と言ってくれたので、カレー皿を渡す。ふと、社員Aの近くに座っていた社員Bが僕に尋ねる。

社員B「これはなんのカレーなの?」
J太「それは絶対に言えません」

   企画の主旨上、一切の前情報は無しで食べてもらいたい。そんな判断からとっさに出た言葉に過ぎないが、ほとんど話したことがないJ太から正体不明のカレーを渡された社員Aは「一体何を食わされるのか」とやや疑心暗鬼気味となってしまったようだ。

社員A「じゃあ...いただきます。えっ、なんか粒が入ってる...。なんだろう、これ...」
J太「...」

   この粒とは、クミンシードのことを指している。もちろん、本来はただのおいしいスパイスだ。が、カレーに特別関心のない人からすればその正体はわからないだろう。若干怯えた顔でおそるおそる「謎の粒」を口にしつつ、困惑したままAは完食に至った。別にドッキリ企画というわけでもないのだが、もう少し情報を伝えればよかっただろうか。

困惑や若干の恐怖の混じった顔でカレーを食べる社員A
困惑や若干の恐怖の混じった顔でカレーを食べる社員A
社員A「ごちそうさまでした。なんというか、プチプチした粒が怖かったんですけれど、普通においしかったです。なんのカレーですかこれ?」
J太「何円ぐらいのカレーに感じました?」
社員A「スーパーに売っている300円とかのカレーって感じです」

   求めていた反応だ!本来のカレーそのものの価格の、4倍近い値段。「78円のカレーです」と伝えたら、驚いた様子だった。まあ、そこに色んなスパイスを加えているのだけれども。

けっこう高いカレーかと

   続いてはJ太の近くに座っている社員C。「カレーは好きです」と語り、喜んで皿を受け取ってくれた。

   ところが一口食べた瞬間「わっ...」と口から発し、慌てた様子で水を取りへ走っていった。ごはんを食べている人間が示す反応としては、かなり不穏な部類の行動だ。辛すぎたのだろうか?ちゃんと完食できるのか、不安になったが、数分で全てを食べ終えた。

社員Cも完食
社員Cも完食
J太「どうでした?」
社員C「おいしかったです!けっこう高いカレーなのかなと思いました。スパイスが辛いのと、すごく外国の調味料のような味がしたので」
J太「途中で飲み物を取りに行ったのは?」
社員C「最初ぷちぷちとした調味料を噛んだときにびっくりしたからです。一旦飲み物を口にしました」

   またもクミンシードの存在に驚いたようだ。せめて「これはスパイスカレー」と最初に伝えておけば、社員AもCもここまでびっくりするのは避けられたかもしれない。

   そんな社員が驚くほどスパイスにこだわった「大人のカレースパイス」。発売前、2月~3月には商品開発に向けてクラウドファンディングを実施した。クラウドファンディングサイト「Makuake」上での説明によると、カレー以外では「焼きそばやチャーハン、スナック菓子などにふりかけてもおいしい」とのことだ。

   なお大人のカレースパイスの価格は、1包ずつ買うと302円。10包セットなら2138円で、1包あたり214円ほどという計算だ。今回使った「カレー専門店のこだわりのカレー 甘口」(78円)と合わせるなら、1皿あたり計292円となる。

【J子が行く】J-CASTトレンド記者「J子」とその同僚たちが、体を張って「やってみた、食べてみた、行ってみた」をリポートします。