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ChatGPT「生成継続」ボタン地味に便利 「続き書いて」のイライラから解放

   対話型AI「ChatGPT」。ユーザーへの回答時、一度に生成できる文字数には制限があり、長文を出力させると、回答の途中で不自然に文章が途切れることがある。

   これを解決するような新たな機能が、近ごろChatGPTに追加された。「Continue generating」(生成継続)ボタンだ。このボタンを押すと、回答が途切れた場合、シームレスに続きを書かせられる。ツイッターの一部で「地味に最高」「めっちゃ便利」などと話題になっている。

  • 対話型AI「ChatGPT」の利用がより便利に(写真はイメージ)
    対話型AI「ChatGPT」の利用がより便利に(写真はイメージ)
  • 対話型AI「ChatGPT」の利用がより便利に(写真はイメージ)
  • 「続き書いて」と促すと
  • 「両親の貯金」で文章が途切れたため、「Continue generating」を押す
  • Continue generatingを使うと、そのまま「両親の貯金は私の学費に使われていました」と続いていった

「続き」の催促が面倒

   「Continue generating」ボタンを試すため、米アップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏が、2005年に米スタンフォード大学で実施したスピーチを翻訳させてみる。YouTube上で公開されている動画字幕をChatGPTに入力し、和訳するよう指示する。動画は全15分で、文字に起こすと2000単語以上に及ぶ長大な英文だ。

   ChatGPTが回答した翻訳文は、「そして17年後、私は大学に行くことになりました。しかし、私は無邪気にも、スタンフォードとほぼ同じくら」と不自然な位置で止まる。これまでは毎回、これに対し「続けてください」「続きをどうぞ」などと追加で指示を送り、次のChatGPTのメッセージで続きの文章を生成させる必要があった。

   従来通り「続けてください」と送る。すると、「すいません、以下を続けます。02:28(編注:動画の再生時間) 高価なスタンフォードとほぼ同等の学費を払っている大学を選んでしまいました」と続きが出てきた。

   スタンフォード大学の名前などが重複して出てきたうえ、最初に使われていた「ほぼ同じ」との文が「同等」に変わるなど、表現がやや異なっている。和訳した全文をコピーして利用したい場合、この「つなぎ目」部分について修正が必要なため、やや不便だろう。毎回テキストで続きを促すのも手間だ。

メッセージの続きがそのまま表示

   一方で5月17日現在は、ChatGPTの文章が途中で途切れた場合、上述の「Continue generating」と書かれたボタンが、メッセージ入力欄の上部に表示される。これを使って和訳に再挑戦だ。

   再びジョブズ氏のスピーチ文を入れ翻訳させると、ChatGPTのメッセージは「私は無邪気にも、スタンフォードとほぼ同じくらい高額な大学を選んでしまいましたし、労働階級の両親の貯金」で途切れた。

   ここで、Continue generatingボタンを押してみる。すると、ChatGPTのメッセージの終端「両親の貯金」からそのまま続きが生成され、「は私の学費に使われていました」と切れ目なく文章が表示されていった。

   その後も生成される和訳文はたびたび文の途中で途切れるが、その都度、計5回ボタンを押すと、全文を通しての和訳分文が完成した。

   なお、スマートフォン版「ChatGPT」の場合は、DVDプレーヤーのリモコンの「早送り」ボタンのような、右を向いた三角形が2つ連なったボタンを押すことで生成を継続できる。この場合、ボタンはメッセージ入力欄の右側に表示される。

   運営会社・OpenAI公式サイトによると、この生成継続機能は「May 12」(5月12日)というバージョンから加わったと説明されている。