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Z世代「性格診断系AI使って就活」 案出し、自己分析助ける「良き相談相手」

【連載】Z世代のトレンド研究
「Z世代」は、日々どんな情報に注目し、トレンドを追っているのか。
テテマーチ(東京都目黒区)マーケティング研究室「lookey(ルーキー)」のプロジェクトリーダー・川又潤子さんが、Z世代メンバー(同社定義:1995年から2010年生まれ)と共に、はやりのヒト・モノ・コトを取材。人気の秘訣をZ世代の視点で分析し、伝えていく。

   連日、様々なAI(人工知能)サービスが登場し、驚くべき速さでアップデートされていきますね。物心ついた頃からインターネットが普及していたZ世代は、AI(人工知能)サービスをどのように活用しているのでしょうか?

   例えば、服飾系の大学に通っている末永あみ(21歳)は、「ChatGPT」に加え、「MBTI診断」や「ストレングスファインダー」といった性格診断系AIを重宝していると言います。

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あくまでも「良き相談相手」

   末永さんは以前、学校から出題されたプレゼンの「タイトル」について「ChatGPT」に相談したそう。Google検索だと、キーワードを入力して答えを見つけにいく必要があり、自分の思い込みや考えの枠を取り払えないのですが、AIが提示する結果には「偏りや先入観がありません」。

   ただ、最終判断は人間がする必要があります。「ChatGPT」に複数のプレゼンタイトル案を出してもらいましたが、末永さんは、まるまるコピーして使用しませんでした。「AIが考えたタイトル案をそのまま反映してしまうと、自分らしさが消えて若干の違和感がある」からです。そこで、自分のアイデアとAI案とをうまくミックスさせ、タイトルを決定しました。

末永:客観的に回答をくれる点に満足しています。先進的なサービスなので使用をちゅうちょする人もいると思いますが、私はよい相談相手としてこれからも活用していきたいです。

「自己分析」結果をAIと答え合わせ

   AIについて、明確な定義は存在しないものの、一般社団法人人工知能学会設立趣意書によると、「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」とあり、データを駆使した診断サービスなども含みます。

   「MBTI診断」、「ストレングスファインダー」といった、自分の性格や才能、強みを見つけ出す性格診断系AIも、Z世代にとって欠かせないツールになりつつあるようです。SNSや仲間内で結果を共有して相性を確かめ合って会話のネタにしたり、自分の強みを発見して転職や就職活動の時に活用したりする人が多いです。

   末永さんも、就活にあたり「自分を客観視したい」と感じる時に役立てたそう。例えば、「自力で自己分析をした後、裏付けとなるような結果を得て自信を持つため」に、答え合わせの意味合いで、性格診断系AIを頼りました。

末永:「ストレングスファインダー」では、人間関係構築力に強みがある、という結果が出て、非常に納得感がありました。もともと周囲から『コミュニケーションがうまい』と言われていたためです」

   Z世代は、SNSのアカウントを「趣味用」「リアルな友達用」など複数持ち、それぞれでキャラクターを使いわけることに慣れています。そのため、「各キャラクターを客観視し、自分をもっとよく知りたい」というZ世代の深層心理も隠されているようにみえます。

   今やZ世代の生活と密接に関わっているAI。もしかすると、この連載のテーマもAIによって考えられ、選定される日が来るのかも...。

   次回は、「テキストからイラストを生成するAI」に魅了されているlookeyメンバーが登場します。