J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「一人の韓国人で全体の差別が強まっては…」

   バージニア工科大学での銃乱射事件の続報。事件を起こしたチョ・スンヒ容疑者(23)の犯行声明からは、アメリカ社会でのきびしい格差と差別への怨嗟、韓国人移民のおかれた状況などが浮かび上がった。

   NBCテレビに送りつけられたDVDには、声明を読み上げるチョ容疑者の映像と写真多数が収められていた。

   「ベンツや金のネックレス、投資ファンド、ウォッカやコニャックでは満足できないのか」と富者をはげしく糾弾する。しかしそれは同時に、自らもその価値観を否定する何かを見出していないことを物語る。「おれにひとつの選択肢しか与えなかったお前たちのせいだ」にいたっては、身勝手としかいいようがない。しかし、何が彼をそこまで追い詰めたのか。

   アメリカに移住する韓国人は人口の2.8%にもなるという。彼らの多くは、アフリカ系の人たちの職業とぶつかり合う。白人からも黒人からもうとまれる現実があるのは事実だ。

   小倉智昭は「1人の韓国人が起こしたことで、全体の差別が強まってはいけないと思うが」といった。佐々木かをりは、レーガン大統領暗殺未遂の容疑者が白人と判明した際に、テレビの黒人出演者が「黒人ではなかった」と言ったことをよく覚えていると話した。

   チョ・スンヒは精神に異常をきたしていた。その精神の闇は解明されるのだろうか。