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「娯楽性ゼロ」の退屈な映画「殯の森」

   カンヌ映画祭でグランプリを取った河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」が5月29日の夜にNHKのBSハイビジョンで放送された。鳴り物入りで見ろというので見たんだが、実につまらない、退屈極まりない映画だった。

   たしかに河瀬監督の「映像主義」というか、美しい映像へのこだわりはすごいと感じた。カンヌでもその芸術性が評価されたんだろう。だけどストーリー性はあまりなくて、まとまりがない印象だった。認知症の老人と介護する人の交流という設定も特に目新しいものではない。映画監督というよりは「映像作家」なのだ。

   それに音がひどくて、レベルをいつもの倍くらいに上げてもまだ聞こえないくらい。映画館ではどうにかしてやるのかもしれないけれど、少なくともテレビというサイズにはまったく向いていない作品といえる。

   映画を通じて目立つのは、河瀬監督の「情念」。そればかりが伝わってくる。でもそれから先、もう2つ、3つが足りない。もし映画に多少なりともエンターテイメントの要素がなければいけないとしたら、何もない映画だ。

    カンヌでは 大評判さて 日本では