J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「呪怨 パンデミック」
日本の「幽霊屋敷」から世界へ広がる恐怖の怨念

   清水崇監督は「呪怨」で世に出て、ビデオから日本映画、そしてハリウッドまで極めた。「呪怨」は初期のオリジナル・ビデオの2本、日本映画で2本、ハリウッドで2本と合計6本目になる。特にハリウッドでの第1作「THE JUON」は212億円の大ヒットを飛ばした。清水にとっては「呪怨」のヒロイン、伽椰子サマサマだが、6本とは飽きないものだ。強い復讐の心が怨念となって深まって行くというテーマは同じだ。前回ではサラ・ミシェル・ゲラーのカレンが怨念の被害者となった。

(c)2005 EASY THERE TIGER All rights reserved
(c)2005 EASY THERE TIGER All rights reserved

   今作もハリウッドの恐怖の巨匠、サム・ライミとJホラーの一瀬隆重がプロデューサーとして名を連ねて清水をバックアップしている。フランチャイズものだが、前作を知らなくとも楽しめるものを目指したという。

   舞台は東京。インターナショナル・スクールに通うアリソン(アリエル・ケベル)はクラスメートのヴァネッサとミユキに連れられ、住宅街にある評判の幽霊屋敷を訪ねる。そこは伽椰子が夫に惨殺され、息子の俊雄も行方不明となった家だ。少女たちの無断侵入は、その家に憑り付いた呪怨を呼び起こすことになる。

   一方カリフォルニアに住むカレンの妹、オーブリー(アンバー・タンブリン)が姉を見舞いに東京へやって来る。だがカレンは突如身投げをして死んでしまう。事の真相を知りたいオーブリーは、香港から謎の連続死事件の調査に来たイーソン記者(エディソン・チャン)と知り合う。そのイーソンが突然死ぬ。恐怖の伝播の背景を調べるオーブリー。日本での怨念は人に憑いてシカゴにも飛火する。サブタイトルのパンデミック(感染)が始まるという訳だ。

   「インファナル・アフェア」のエディソン・チャンがしっかりと日本語を喋る。「フラッシュダンス」のジェニファー・ビールスや前作ヒロインのサラ・ミシェル・ゲラーなど、名のある女優が脇を固める。主役の二人、タンブリンとケベルは余り美人でもない無名の若い女優だ。共に20代前半で17-18歳の高校生役には老けている。清水監督もこれで手の内を出し尽くした感じで、さすがに7作目は無いだろう。