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「SAW4 ソウ4」
衰え知らずの残酷シーン、思わず「やめてくれー」

   このシリーズのジクソウのトリックはおぞましい。どこか分からない遠い場所から指令を出し、拘束した男たちを残酷に殺し合わせるなど悪辣で気持ちが悪い。比べれば「エルム街の悪夢」のフレディや「13日の金曜日」のジェイソンなんて子供だましに思えるほどだ。2004年に始まったハロウィン時期公開のフランチャイズムービー。05年「ソウ2」06年「ソウ3」、そしてこの07年「ソウ4」は10月26-28日の週末に公開されて、全米でダントツの3210万ドル(35億7000万円)の興行成績を挙げた。前作「ソウ 3」の3360万ドル(37億4000万円)には追いつかないものの、10月末までに低予算映画SAWシリーズ4作品は世界で累積5億ドル(556億9000万円)を超えたと言うから凄い利益を稼ぎ出している。

(c) MMVII Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
(c) MMVII Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

   冒頭は死体置き場。真っ裸で横たわっているのがジグソウ(トビン・ベル)、遂に死んだかとホッとする。しかし医師たちがおぞましくも死体解剖を細々とやり、それをカメラが丹念に追う。ペロリと切除して剥いだ頭皮が顔を覆う。露出した頭蓋骨を電動鋸で切断してグニャグニャの脳みそを取り出す。両肩からYの字にメスを入れ、肋骨を鋸で切除して取り出す大きな胃袋。切り開くと蝋で包んだ小さなテープが。駆けつけたホフマン刑事(コスタス・マンディラー)がそのテープに収められているジグソウのメッセージを聴く。「私の仕掛けは未だ続いている」とジグソウの宣言。新たなゲームがスタートし、矢面に立たされるのはSWATのリッグ刑事(リリク・ベント)だ。同僚の二人の刑事はゲームの餌になっている。90分以内に救助しなければ二人とも死ぬ。

   シリーズで残酷ゲームに随分付き合わされたので、慣れっこになっているとしても氷の塊の上に立たされて首には紐が巻きつけ吊るされた男などは見たくもない。両瞼が縫い合わされて見えぬ男と唇が縫い合わされて喋れない男。二人が鎖に繋がれその鎖が動力で巻き取られ接近しての殺し合いなど、残酷シーンは相変わらずだ。「ソウ2」から監督をしているダーレン・リン・バウズマンは快調?で、これでもかこれでもかと気味の悪いシーンを連発して観客を怖がらせている。ジグソウが死んでもまだまだシリーズに客が入る限り、毎年ハロウィンには彼が蘇りそうだ。