ヒラリー大逆転のキーワードは「涙」だったようだ。
事前の世論調査でオバマの41ポイントに対して28ポイントと、大差をつけられて劣勢を伝えられていたヒラリーが、接戦を制してニューハンプシャーの予備選を取った。ここで負けるようではオバマへのなだれ現象を止められないと見られていただけに、勝利宣言に立ったヒラリーは実に嬉しそうだった。
緒戦のアイオワで3位と惨敗した後は、すっかり気落ちして老いを隠せず、涙すらにじませていた。この涙が、それまでの「鉄の女」イメージを「人間味がある」に変え、有権者、特に中高年の女性の胸に突き刺さり、ポロっとさせたのでは、国際政治ジャーナリストは分析する。
出口調査では女性の45%がヒラリーに、33%がオバマに投票したという。
「女性の涙は強いんでしょうか」と山岡三子が問いかける。
ロバート・キャンベルは「ギリギリのところまで堪えていたのが、アイオワの結果を受けて選挙の大事さを訴えるときにウルっときたのが、高齢者の女性を動かしたのでは」と言っていた。
テリー伊藤によると、ニューハンプシャーは95%が白人だという。「それでも、僅差だったんだから、オバマはやっぱり強いですよ」との見方。
対抗馬にいったんは抜かれた本命馬が意地をみせてようやく抜き返したところか。
つばぜり合いはしばらく続きそうな気がする。