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その反応、いい人か偽善者か

   日テレの音楽オーディション番組で、一度落選するなど紆余曲折を経て、メジャーデビューした木山裕策39歳、会社員。出勤前という木山は紺のスーツでスタジオに現れた。

フツーな感じがいいですね

   VTRで妻や4人の子供らとの家庭愛が綴られたあと、ナマ歌を披露。「パパのパパ、パパのママ ありがとう」などといった「家族愛」をフィーチュアした「home」を、薄い平井堅のように歌い上げた。

   このようなプロフィル、デビューの経緯やプロモーション方法を見、そして無難な歌唱を聴いたあとでどう思うか、またそれをストレートに口にしてしまうか――まるで「いい人」の試金石のようである。

   たしかに、カラオケで隣席の知人がこのぐらい歌ったら、涙ながらにスタンディングオベーションしているだろう。だが、プロにしては没個性な、それこそサラリーマン的な臭いがする。この39歳新人の歌いっぷりには、とくに欠点もなかった。それが大きな欠点と思わされてしまうのだ。

   いつだか「いい人はテレビではつまらないんですよ」と吠えていたテリー伊藤は今日「フツーな感じがいいですね」と軽くほめていたが、さて本音だったんだろうか。