<テレビウォッチ>「何故かオバマさんの演説を聞いていて、アメリカ国民でもないのに涙が出てきて仕方がなかった。西武の優勝(?)の興奮が、どこかへ行ってしまいましたネ」
小倉キャスターがイリノイ州シカゴで行われた勝利宣言の演説を絶賛した。
「変革」を象徴する初のアフリカ系(黒人)大統領の誕生。しかも、過半数を大幅に上回る圧勝。
逆にいえば、ブッシュ政権下の閉塞状態を「早く何とかしてくれ」との強い期待だろうか、勝利宣言の会場に詰めかけた支持者は、番組によると25万人という。
「戦争が2つ起きて、さらに100年に1度の危機です。私は約束します。私たちアメリカ国民はきっとやり抜きます……」。アメリカは一つと、結束を訴えた演説は、確かに説得力があった。
翻って小倉は、日本のリーダーの演説と比較し、話題を2つ取り上げた。
まず歴代総理大臣との比較。
「あれほど演説のうまい人はいただろうか。総理大臣の演説に日本で涙を流した人はいたでしょうか」
「田中角栄さんは話のうまい人でしたが、すべての聴衆に対し訴える力という意味でこれほどすばらしい演説をする人は、日本では記憶にありません」
もう1つは、シカゴも招致活動をし、有力視されている2016年のオリンピック。小倉は「笠井アナも言ってましたが、オバマさんがシカゴでこんど招致演説をしたら日本は負けるのではないですかね~」と。
実は今(2008)年6月、シカゴの招致イベントで、選挙活動中のオバマが飛び入りで演説したという。その時の演説の中身は……
「私は大統領になって、『これからゲームを始めよう』と宣言したい。シカゴオリンピックは私の2期8年目の最後に当たる」
小倉は「これでは石原さんもちょっと追い付けない。麻生さんが『元オリンピック選手の麻生です』とやればちょっとは……ただ、麻生さんが総理大臣でいれるかどうか」と、きついコメントを。
もっとも、演説が不得意なのは総理大臣ばかりではなさそう。おしゃべりのプロである小倉も「西武の優勝の興奮が……」と冒頭から間違えた。
子供の時からディベートで鍛えられているアメリカと違って、寡黙が美徳とされてきた国民性。今から大人がうまくなろうとしても無理だ。