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「年収5000万円」でも給付金「欲しい人」

   <テレビウォッチ>「これでいいのだ!」(天才バカボン)の作者・赤塚不二夫は逝ってしまったが、マンガチックな言動を地で行く後継者(?)がさっそく現れた。

またまた新たな考えを

   いうまでもなく定額給付金で永田町を混乱の渦に陥れている麻生首相のことである。

   「昨日(11月10日)またまた総理が新たな考えを示しました」と、笠井アナが取り上げた。

   この定額給付金は、先(10)月30日に追加経済対策の記者会見で「給付金方式で全世帯に実施します。規模は約2兆円」と、首相がブチ上げたのが始まり。

   まずこれに与謝野経済財政担当相がテレビ番組で「(高額所得者に)生活支援はおかしい」と噛みつき、首相も同調してから、所得制限を設けることへ急旋回し、迷走を始めた。

   ところが、全国市長会会長の佐竹敬久・秋田市長が「所得制限を行うと大変な混乱が起きること確実です。その混乱の責任は国が一義的に負うべきだ」と、ガツーンと一発、クギを刺した。

   しかし、女房役に徹する河村官房長官は「麻生首相の方から所得制限する方向を打ち出しているわけですから、それに沿って最終的な結論を導き出すということです」と。

   ところが、「女房」のことなぞそっちのけの首相は、その1時間後に次のような発言を……

   「法律を設けると面倒なことになる。(高額所得者には)自主的に辞退してもらうのが簡単なのでいいのでは……」

   では、高額所得者とは一体どの程度の所得なのか? 辞退する方に入るのか、入らないのか。迷う人が出てこれも混乱しそう。

   麻生首相はこの疑問に「本人の自意識の問題ですよ。5000万円の所得でも高額所得でないという人もいれば、500万円でもいらないという人がいらっしゃるかも……」と。

   一体これ何?? と言いたくなるが、小倉が「今朝の東京新聞に、共同通信が実施した世論調査結果が載っていました。朝日新聞にも載っていますが、定額給付金反対の声が多い。止めちゃえばいいという話では?」と開き直った。

   ちなみに共同通信の調査結果は58%が「評価せず」、朝日新聞は63%が「不要な政策」となっている。

   『ニューズウイーク日本語版』編集長の竹田圭吾は「景気対策なのか生活保護なのか区別が全くついていない。景気対策ならおカネを使ってくれる人に回った方がいい」と。

   今や「景気対策」は迷走し、どこに行ったのやら。経済のプロで売り出したはずの麻生首相だが、景気対策とは対極にある「3年後の消費税アップ」をこのに時期に打ち出すのもおかしい。