<テレビウォッチ> 今回の3本は、アーカイブ利用ものの番組を続けて取り上げてみようと思う。制作費削減のしわ寄せで、過去の自前の映像を生かした番組作りはこれからの王道になりそうだ。
まずは日テレのモクスペ。「TV史上最強伝説大集合 超ト~ンデモナイ映像大放出スペシャル」と、ひたすら昔の映像を紹介した。羽鳥慎一アナがチョコチョコっと説明をはさむだけで、次から次になつかし映像が流れた。UFOものやインカ帝国のミイラの布はぎ、ネッシー、「超能力」ユリゲラー、初回の鳥人間コンテスト、アメリカ大陸横断ウルトラクイズなどなどだ。一番数字を取ったのはボクシングで、ガッツ石松がチャンピオンになったときとか言ってたな。
チョモランマ登頂の生中継もあった。これは当時、感動しながら見てた記憶がある。仮装大賞の過去の名作を見るのも楽しかった。まさに大放出だった。
こうして見ると、バカバカしいこと、いかがわしいことに大まじめに挑戦していて、テレビが元気だったことを現していた。バラエティというジャンルが大きく育ってきた歴史を感じることができた。日テレの力も感じた。この「大まじめに」というところが「元気」の秘訣だと思う。ちょっと危ないにおいがするくらいのことをやった方がいい。それがなくなると、つまらなくなる。当時見たことを覚えている映像も結構あり、懐かしかったし楽しめた。
しかし、この作り方ではあまりに今日性とかけ離れているのでは、とも感じた。スタジオ陣なしでひたすら細切れ映像、ではつらい。懐かしい、ただそれだけではもの足りないし、若い世代からは見向きもされないのではないか。アーカイブを利用するのは結構だけど、これじゃあダメよ、と言いたい。一考した方がよさそうだ。
ちょいと見せ 過去の栄光 ちらつかす