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メイド刑事「終わり」もったいない! 戦闘シーン「本格的」な理由

   <メイド刑事>一時期の勢いはどこへやら、最近はすっかりブームも去ってしまったメイド喫茶。いや、世間の話題にのぼらないだけで未だに秋葉原では大人気のエンターテインメント施設……だったりするのかもしれない。さてさて今回で最終回を迎えたこのドラマは、可愛らしいメイドさんが喫茶店でじゃんけんをしてくれる……わけではなく、ご主人様の命令でどんな場所でも潜入し、自慢の特殊クイックルワイパーでバサバサ敵をやっつけてしまう、ハチャメチャなメイドさんの物語なのである!

   実はこの作品、原作は早見裕司著のライトノベルで漫画化もされている。所々変更点はあるようだが、元レディースの総長だったが現在は働き者のメイドとなった主人公の若槻葵(福田沙紀)が、ご主人様である京都警察本部長・海堂俊昭(原田龍二)の命令で様々な場所に潜入する……という大筋の内容は変わらない。

   「主人公が戦うメイド」というおかしな設定のせいか、時限爆弾や殺人未遂など物騒な内容でもなぜか笑えちゃうのがこのドラマならでは。最終回も、大事なご主人様を傷つけた犯人と対決するシーンで葵が相手にしたのは、デッカイ分度器やコンパスを手にした研究員や威勢の良い剣道部員など。これは……笑わせたいの? 真剣に見るべきなの?!

   しかしこのドラマのスゴイところは、ヘンテコな敵役の彼らが実は京都東映撮影所が誇るプロの殺陣師のバックアップを受けているということだ。さすがプロに指導されただけあって、ドラマの見所になっているラストの大立ち回りは迫力満点。立派なメイド服をまとった葵が、「悪の汚れ、お掃除させて頂きます!」というキメ台詞と共に、クイックルワイパー型の武器で敵をなぎ倒していく様子はまさに圧巻! 飛んだり跳ねたりは当たり前のアクロバティックな動きや、刀と刀がぶつかり合う、あのキュイイイーンという鋭い音だけ聞けば完全に時代劇である。画面に見え隠れするメイドのふりふりスカートで、「違う、これは現代ドラマではないか!」とかろうじて思い出すほどだ。

   「悪を成敗する」というシンプルなテーマに沿ってメイドが大暴れするのを見た後は妙にすがすがしい気持ちになれる、なんだか終わってしまうのがもったいないくらい面白いドラマだ。『メイド刑事リターンズ』などの続編、是非期待してます。<テレビウォッチ

じょん