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「女房」に振り回される首相 某誌「応援ムード」一転?(上)

【午前】11時1分、東京・明石町の聖路加レジデンス。母安子さんに幸夫人と面会。【午後】0時4分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。そば屋「十和田」で幸夫人と食事。56分、東京・南青山の桂由美ブライダルハウス。幸夫人と服の採寸。2時10分、東京・田園調布の自宅。5時39分、東京・六本木の六本木ヒルズ。「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」で東京国際映画祭オープニングセレモニーに出席、あいさつ。幸夫人、増子経産副大臣同席。映画「オーシャンズ」など鑑賞。10時10分、自宅。

   これは10月17日(土)の首相動静(10月18日の朝日新聞)である。鳩山首相が、母安子さんに会いに夫婦そろって行くのはいいだろうが、夜10時過ぎに自宅へ帰るまで、国政とはあまり関係なさそうなところに、幸夫人の「お供」をしている。

大臣が自分勝手に…

   「仲良きことは美しき哉」ではある。しかし度が過ぎるのではないか。新潮と文春には、この日の国際映画祭セレモニーに出席した際、鳩山首相を従えて婉然と微笑む幸夫人の姿がグラビアで紹介されている。文春によれば「臨時国会が開かれる今月下旬には首相公邸に引っ越す予定で、それまでに行きつけの店を夫婦で一巡するつもりのようです」とある。マニフェストの財源をひねり出すために奔走する閣僚たちは、この2人をどう思っているのだろうか。

   自分の女房に振り回されているだけではなく、鳩山首相は、もう1人の「女房」平野博文官房長官からもいいようにあしらわれているのだ。

   鳩山首相は「子ども手当」の財源負担を地方自治体にも求める案が出ていることについて、「財務省発でそういう話が今出ているが、本来、国ががんばらなきゃいけない話で、地方に負担をさせるということは今、私の頭の中にあるわけではない」と、全額国費で負担すべきだとの考えを示したが、平野官房長官はその日の夕方の会見で、「どういう風な財源でやっていくかは政府が真剣に考えることだ」と述べ、地方への負担もなお選択肢に入っているとの、首相とは異なる考え方を記者たちに話している。

   このところ、首相を蔑ろにして、自分たちの意見をいう閣僚たちが多くいるが、亀井金融相などはその最たるものだろう。西川日本郵政社長を辞任に追い込んだまではよかったが、その後任について、文春でこう語っている。「新社長は私の一存でもう決めてある。民間企業出身で、世間で知らない人はおらん。名前がわかれば『おお!』となりますよ」

渡辺元行革相「役人の勝ち」

   確かに、発表されて、マスコミも世間も「おお!」となったことは間違いなかった。

   内定したのは元大蔵(現財務)事務次官で小沢民主党幹事長と親しい斎藤次郎・東京金融取引所社長(73)だったからだ。鳩山民主党が掲げてきた「脱官僚」とは真逆と思える人事について、鳩山首相は早急に説明する責任がある。

   この夫婦にジェラシーを感じたわけではあるまいが、民主党寄りだった現代、朝日までもが、このところ批判的な論調に変わってきたのは、政権発足後100日間をメディアとのハネムーン期間などと悠長に構えていると、取り返しのつかないことになると気付いたからだろう。

   現代は、渡辺喜美・元自民党行革担当大臣を起用して、「鳩山政権『役人の勝ち』」と、政権は霞ヶ関に乗っ取られたと断じている。

   ポストは、検察が、鳩山首相の母親・安子さんを、首相の「故人献金」疑惑にメスを入れるため「事情聴取」しようとしているらしいとの観測記事を掲載しているが、もっと正面から献金問題に取り組んだほうがいいのではないか。

(下)に続く>