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移植のプロがこだわる命 ド迫力映像が伝えたもの

   今回のプロフェッショナルは、ニューヨークの病院で肝臓と小腸の移植手術を手がける医師・加藤友朗。

アメリカで一躍有名に

   機能しなくなった臓器を切除。脳死した人などから提供された臓器と交換する。彼のもとを訪れるのは、重篤な患者のみだ。他の方法では治療不可能と宣告された人々が託す、希望。それが移植手術である。

   昨2009年、彼は不可能と言われた手術を成功させ、アメリカで一躍有名になった。体中の胃・肝臓・小腸・大腸など6つの臓器に腫瘍が転移した女の子の手術である。腫瘍が絡み付き、取り去る事は困難と言われたその女の子の腫瘍を、彼は切除した。

「自分の中で大事にしているのは、出来ないという事は簡単ですけれども、もしかしたら何かあるかもしれない(と考えること)」

   加藤のもとを訪れるのは、他で断られた患者である。命の瀬戸際に立っているその患者のために、あらゆる方法を考える。

「他で断られた手術が全部出来る訳じゃないです。でもとりあえずそこから始める。やっぱり人間、真剣になるときってありますよね。その中のひとつは、自分の命の問題、家族の命の問題。命の問題には真剣に向き合わなければいけない。それが医師のとるべき姿だと思います」

患者回復のスピード

   彼は非常に丁寧な仕事を行う。それは彼自身、手術のスピードを争う事から、患者の回復のスピードを考えるようになったからだと言う。命にまじめに、患者の人生と向き合う。彼が名医といわれるゆえんがそこにもある。

   さて、今回の放送はとても衝撃が大きかった。手術中の映像にはモザイク処理がされる事が多いのだが、今回の放送では移植中の映像がそのまま放送された。肝臓を移植するということがいかに大胆な事なのか、映像を通してよく伝わってきた。

   と同時にショックも大きかった。感受性の強い人など、トラウマになるのではないかと思われるほど、衝撃的だった。映像のもつ力強さを、改めて考えさせられた。

慶応大学 がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2010年1月19日放送)