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毒ギョーザ事件 「なぜ今ごろ解決?」の裏事情

<テレビウォッチ>2年前、11人の中毒を出した中国産冷凍ギョーザに毒物を混入した容疑で、天洋食品(現在工場閉鎖)の元臨時工が逮捕された。動機は待遇への不満だったという。中国保安当局が日本メディアに発表した。

妻に「自分がやった」

   呂月庭容疑者(36)で、2007年10月から12月に3度、工場にあったメタミドホスを盗み、冷凍倉庫で注射器で製品に注入したと自供。3月21日に自供通り、下水から注射器2本を発見、メタミドホスを検出したという。

   発表によると、呂容疑者は20歳ころから同社で臨時工として働いていたが、待遇のいい正社員になれないのが不満だった。同じ職場で働く妻が05年、産休でボーナスが出なかったことで、復讐しようと思ったという。

   妻に一度、「事件は自分がやった」といったことがあり、問いつめられて「冗談だ」と逃げたが、同じことを親戚にも話していたため、当局の耳に入った。保安当局はこれまでに500人以上を調べたという。

   みのもんたは、「これで真相がわかってよかった」といったが、おかしなことはいろいろある。まず、当初中国側は、工場にメタミドホスはない、監視カメラがあるから、混入できない、と中国側での混入を否定していたが、発表では、芝生の手入れ用としてあった。また冷凍倉庫内にはカメラはなかったとした。

   明らかに前言の否定だが、ジャーナリストの富坂聡は、「発表したくなかったという話もあるが、有力な手がかりが急に出てきて現場が動いた」という。ただ「発表は、これで終わりましたという感じで、日本とは温度差がある」と。

相次ぐ労使紛争

   また、この事件の調査に携わった中京学院大の久野輝夫助教は、「下水も調べたが、水流があった。メタミドホスは水溶性で揮発性も高く、2年間残っていたとは考えにくい」という。なぜいま突然に、というのと合わせて、大きな疑問点だ。

   富坂は、「51万9000件」という数字をあげた。これが待遇をめぐる労使紛争の件数。法改正で正社員がふえるのを嫌った企業が、リストラなどをするからで、この事件もそうした時期にあたるという。

   みのは、「先日鹿児島市に来た中国人の買い物ツアーはすごかったし、上海万博はあるし、ボルボは買っちゃうし……」

   富坂は、「貧富の格差は大きく、67.2%が平均以下だ」という。末吉竹二郎は、「格差拡大がアキレス腱になりかねない。大国なんだけれど、世界の国と一緒に問題の解決に取り組める国なのかが問われている。人口でいえば、5人に1人が中国人なんですから」

   みの「エッ?」

   末吉「だって、68億人のうち13億が中国人なんだから。そういう国に、食料を頼っているのが日本だ」「ハアー」

   当局の発表にはウラがあると思わないといけない。いま区切りをつけておいた方がいい、何かなかったっけ?