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デンマーク現地報告「ドイツとオランダのいいとこ取りサッカー」

   サッカーW杯、オランダとの対戦は0-1で敗れはしたものの、日本は1次リーグ突破の望みをつないだ。得失点差でデンマークを上回る日本は引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まる。

   番組はオランダ入りしていた岸本哲也リポーターが、デンマークへ移動して現地の様子を伝えた。

堅いデフェンスからカウンター攻撃

   デンマークの人口は東京都の半分にも満たない550万人、面積は北海道の半分という小国。その気質を街の人に聞くと…。

   「大国にはさまれて暮らしているから、周囲と対立せずに穏やかに生きている国民なんだよ」

   その小国の特徴がサッカーにも表れていると現地のサッカージャーナリストはいう。

   「国として強いこだわりを持つよりも、ドイツの組織力、オランダの創造力など、周辺のサッカー強豪国からいいとこを学ぶためにコーチを呼んでいる。日本と同じように、これといったスター選手がいないから、そこを組織力で補っている」

   その強さとは組織的なディフェンス力。2-1で勝利した19日のカメルーン戦でも、強いディフェンスから虚をつくカウンター攻撃で最後に鮮やかなシュートを決めたのが際立った。

   しかも、油断がならないのが、英アーセナル所属の若きエースストライカー、二クラス・ベントナー(22)。194㎝の長身でカメルーン戦でも鮮やかなシュートを決めた。

日本とよく似る3つの弱点

   では、勝利の女神が日本に微笑んでくれるような弱点が、デンマークにはあるのか。カメルーン戦に勝った直後、オルセン監督は持っていたタオルを叩きつけて怒った。

   「愚かなミスが非常に多かった。修正しないわけにはいかない」

   98年フランス大会でコーチを務めた小野剛が、デンマークの弱点は3つあると次のように解説する。

   1つ目は、攻撃型の選手を直前になってディフェンスへ替えるなど安定しないスタメン。2つ目はヨルゲンセンやポウルセンなどベテラン組が不調。3つ目が、相手の攻撃の際にカバーができていないため、ゴール前に死角ができる点という。

   とはいえ、岡田ジャパンも精度が悪いシュート、ミスの多いロングパスなど欠点が目立つ。FIFAランキングはデンマーク36位、日本45位だが、今の戦力はほぼ互角、拮抗しているといえそう。

   キャスターの小倉智昭が「この次、この次こそと期待を持たせてくれる日本代表に感謝しますよ」とひと言。なかなかスパッと決まらない岡田ジャパンへの皮肉か。