J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

絶景満喫の「世界一遅い氷河特急」だから転覆した?

   アルプスの絶景を満喫しながら、平均時速30キロでゆっくり走るスイスの「氷河特急」は、日本人観光客にも人気らしい。この「世界一遅い特急」が思わぬ事故を起こした。脱線転覆のため日本人女性1人が死亡、38人が負傷するという惨事になったのである。

低速走行かえって危ない

   大竹真リポーターが「時速30キロだと安心安全というイメージがある」と切り出し、「ではなぜ事故が起きたのか」と原因を探った。

   鉄道評論家が指摘するのは――

(1)「乗り上がり脱線」説。低速走行の列車がカーブに差しかかると車輪が浮きやすくなり、レールに乗っかってしまう可能性がある。2000年の地下鉄日比谷線の脱線事故も、この現象が原因とされる。
(2)列車の構造上の問題。景色をよりよく見せるために座席を高くしてある。重心が高い位置にあり転覆しやすい。同じ理由でガラス張りにしているため、列車の強度が弱く、被害の拡大につながったのではないかという。

   テリー伊藤が、報道されていることとして伝えたのは「車輪の摩耗」説。これが原因とすると、事故車両以外にもあり得る話で、鉄道会社が早々に運転を再開したのは問題だ。

   コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)は、外国の人はワインを飲みながら景色を眺めているが、カメラを持った日本人観光客は景観のいい窓側に一斉に移動する傾向があると、これも含む「複合原因」説を述べた。

   原因究明もそこそこに、全面的に運転を再開する鉄道会社の神経も太いが、乗り込む観光客の度胸も相当なものだ。