幼児虐待で適切な対応ができない児童相談所が問題になっているが、今度は親の虐待で生徒が助けを求めていながら対応しなかった都立高校校長の問題。番組が新聞報道をもとに取り上げた。
東京都台東区の都立高校で今年4月、入学したばかりの1年生の女生徒(15)が「母親から暴力を受けた」と担任の男性教師に告白した。
教師は校長に報告したが、校長は児童相談所に通告するなどの対応を取らなかった。このため7月になって再び、酔った母親に「中間テストの成績が悪かった」という理由から椅子で殴られケガをした。
母親から再び暴力を受けたことを女生徒に告げられた教師は、今度は校長を通さず直接児童相談所へ通告、女性徒は保護された。
これを受けて東京都は、「4月の時点で児童相談所に通告すべきだった」と学校側の非を指摘したが、校長は「判断ミスとは思っていない」と反発している。
なぜ通告しなかったのか。校長はこう主張しているという。
「生徒の家庭環境、親類、友人関係など、学校・家庭生活の中で常に一番いい方法を考え、今回は様子を見守ることにした。
対応を間違えると事件になるが、今回は事件になっていない。私はこの事案について判断ミスしたとは全然思っていない」
コラムニストの勝谷誠彦は「とくに高校生であれば、こういうケースは本来なら警察ですよ。児童相談所はワンクッションの言い訳、形だけになっている部分がある」と相変わらず厳しい発言をする。
しかし、幼児と違い、学校としては通告が女生徒にとって一番いい方法かを考える教育的役割もある。当然、通告する前に学校としてやるべきことがあるように思う。
テリー伊藤がそこを突いて、次のように指摘した。
「先生は親と話し合っていないんですよね。児童相談所に連絡する前に、夜に行ってもいい。受けたボールをそのまま他に投げた結果、女生徒は保護され、母親はいま一人っきり。
この状態がベストだったかどうか分からない。皆で話をするのがナチュラルですよ。それができていない」
司会の加藤浩次は「今回の場合、担任の先生が家庭訪問に行っていたかどうかは分からない」と言う。
このままでは、校長だけが悪者になって終わってしまう可能性もある。この点、テレビのニュース報道は新聞報道をただ丸投げするケースが目立つ。「形だけ」の中途半端な報道より、再取材してきちっと報道しても遅くはない。