J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

市橋達也の離島逃亡知らなかった警察 裁判は大丈夫か!?

   2007年に千葉・市川市で、英会話教師のリンゼイ・アン・ ホーカーさんを殺害した事件で起訴されている市橋達也被告(32)が、09年11月に捕まるまでの逃亡生活を記した手記がきょう(2011年1月26日)発売された。

   「逮捕されるまで――空白の2年7ヶ月の記録」(幻冬舎)。なかで、沖縄の離島で自給自足していた時期があり、「蛇の首をスコップの刃で切って、ぶつぎりにして焼いて、ネコと一緒に食べた。実においしかった」「潜水して、ウニ、海老、ナマコを採った」などと記している。

大阪近辺と4回も往復

   阿部祐二アナがその離島を訪ねた。沖縄南部久米島の沖にあるオーハ島だ。干潮の時は久米島から歩いて渡ることもできる。 彼がひそんでいたのは、雑草が生い茂る中に残る米軍の監視塔で、コンクリートづくり。がらんとしていて、阿部はサンダル、軍手、網などをみつけたが、市橋のものかどうかはわからない。めぼしいものは警察が持って行ったか。

   市橋は全国20か所を転々としていたが、オーハ島へ来たのは07年5月ころから4回におよぶ。沖縄本島で生活用品をそろえ、図書館などでサバイバル技術を調べたという。

   手記によると、市橋は東京、新潟、青森、大阪と逃走し、この間に自分で「針と糸を鼻に通した」「ハサミで下唇を切り取った。血が出た」 などと、自分で顔に手を入れたことも記している。また、離島へ渡る前には四国のお遍路もしていて、「リンゼイさんが生き返ると思った」 とも書いている。

   その後、大阪近辺と離島を行き来するが、09年10月に名古屋で整形手術をしたことから逮捕につながった。大阪港で逮捕された時も、離島へ渡るつもりだったらしい。

出版で慌てて捜査員派遣

   MCの加藤浩次「ホーカーさんの家族にしてみたら、(手記出版なんて)たまったもんじゃない」

   ロバート・キャンベル(東大教授)「すんなり読めて、多分、編集者の手が入っている。しかし、なぜ殺したのかが書いてない。これは家族にはつらいでしょう。内容も客観的に緻密に書いていて、計算高い。千葉県警には言わずに書いていた」

   キャスターのテリー伊藤「逃亡の本ですよね。家族はなぜ娘が殺されたのかが知りたいのに書かれていない。とくに裁判の前にこういう形で本が出るのはありえないこと」

   話はここで終わってしまった。この本の出版自体が大問題のはず。出版が公表されたのは24日だ。報道によると、千葉県警は先週末、捜査員をオーハ島に派遣して所持品とみられる衣類や本を押収し、裏付け捜査を進めているという。ということは、出版されるまでそれを知らなかったということか逃亡の足取りなんかもまだしゃべってなかったのではないのか。

   2年7か月より逮捕されてからの1年2か月の方が気になる。メディアもメディアだ。逮捕から1年以上たってから出版社に出し抜かれるとは情けない。