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江口洋介「熱い校長」ガンバレ!現実に起きてる「小学生の格差と貧困」

スクール!!(フジテレビ系日曜夜9時)>江口洋介が久しぶりに「熱い男」を演じている。成瀬誠一郎(江口洋介)は大手ゼネコンの工事現場でリーダーとして働いていたが、会社は倒産する。最後にトンネル開通をみんなで喜び、仲間は散っていく。成瀬が向かったのは東京スカイツリーが見える小学校。彼の母校でもある。かつての恩師・武市(岸部一徳)に呼ばれ校長を務めることになったのだ。

   保身にきゅうきゅうとする教師たちの中に入り、「現場力」で取り組む民間出身の熱血校長ぶりが爽快。異端児の先生が沈滞した学校に旋風を巻き起こすという設定はよくあるが、校長というのは異色だ。毎回、いじめやモンスターペアレント、子どもの貧困など、いま小学校が抱える問題が取り上げられる。小学校に縁がなくなって久しいので実態はよく知らないが、このドラマが現場を踏まえて作られているとしたら、びっくりすることばかりだ。

   いつからみんなで「さん」付けで呼ぶようになったのだろう。私のころは、男の子は女の子を苗字で呼び捨てにするのが普通で、男は「くん」、女は「さん」付けで呼ぶようにと指導されたのを思い出す。もちろん、男の子同士は呼び捨てだった。男の先生も男の子は呼び捨てだった。なんて「差別的」だったのだろう。今や先生は子どもに対し腫れ物に触るようだ。

西島秀俊クールな先生カッコいいぞ

   第3話は格差と貧困がテーマで、給食費を払えず、給食を食べないで我慢する子どもが登場する。かたや友だちがいない裕福な子どもは、「友情」を金で買おうとする。

   以前、民主党がまだ政権を取る前、こども手当を掲げていたころ、私はそれに反対だったので、「給食費をはじめ修学旅行から体操着にいたるまで、義務教育に要する費用をすべてタダにする」方がよいと民主党にメールを何度も送ったことがあった。賛同する人もおり、何十通もメールが送られたはずだが、なんの返答もなかった。

   ちょっと調べたところ、当時、義務教育期の公立学校保護者負担額は小学校で年平均9万7500円、中学では16万9700円だった。月額2万6000円を支給するよりはよほど安くつく。

   憲法26条に「義務教育はこれを無償とする」とあるのを楯に給食費を払わない親もいると聞く。こういう親はこども手当が親あてに支給されたって払わないに違いない。

   親がこんなバカだったり、本当に貧乏で払えなかったり、逆に金持ちだったりしても、子どもには何の責任もない。少なくとも義務教育期の学校にいる間だけは、親と無関係に平等であるべきだと思う。

   ドン・キホーテ的だろうが何だろうが、熱血校長がんばれ。一見クールだが、実は教育に自分を賭けている桐原先生(西島秀俊)がカッコいい。毎回、子どもたちの友情が嫌味なく描かれ、快い余韻を残す。

カモノ・ハシ