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佐世保・病院長「養母殺害」危うく完全犯罪のカラクリ

   なんとも粗暴な犯罪が1年近くも表面化せず、完全犯罪になりかねないところだった。長崎県佐世保市の佐世保同仁会病院で、院長の友広慎吾容疑者(49)ら2人が養母で理事長の友広ハツヱさん(87)を殺害した疑いで逮捕された。事件の裏には、病院を利用したあるカラクリがあったという。「スッキリ!!」が追跡した。

真っ昼間に理事長室で殺害の大胆手口

   事件が起きたのは昨年6月10日(2010年)の午後2時半ごろ。院内の理事長室で友広はハツヱさんを殴ったり蹴ったりなど暴行し、病室に放置して殺害したとされる。放射線技師長の枇杷木紀明容疑者(35)も共謀したとして逮捕された。

   犯行時間は真っ昼間、しかも犯行現場は地元では大病院の理事長室。だれに見られるかわからないのに、ぐったりしたハツヱさんを病室まで運ぶなど、大胆といえば大胆な手口だ。

死亡届「遺族欄」「医師欄」とも自分で記入

   問題はその後の措置だ。友広は自分で死亡届を書いて提出、火葬許可書を受け取り、2日後に火葬した。「スッキリ!!」はここにカラクリがあったとみる。死亡届は左の欄は遺族、右の欄は医師が記入することになっている。友広は遺族として左の欄を、医師として右の欄を記入、病死として提出して疑いを受けることなく手続きを済ませることができた。

   司会の加藤浩次が精神科医の香山リカに聞く。

「医者の身内が亡くなった場合も、医者は自分で死亡診断書を書けるということですか。」

   香山「そうです。私も身内が亡くなったことがあった。私は書かなかったけど、書いたとしても問題はない。医師が善意で書くことが前提となっている」

   そこが悪用されたということか。

   キャスターのテリー伊藤「刑事コロンボに似たような事件があったよね」

   友広は跡取りとしてハツヱさんと養子縁組したが、「理事長は病院経営にうるさく、病院が自分のものにならなかった」と動機を語っているという。「死因が不審」との情報が寄せられ警察が捜査していた。