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ハローワーク大船渡で被災者「早く仕事を!蓄え尽きた」

   東日本大震災から3か月以上が経ち、被災者にとって大きな問題になっているのが職探しと、無収入による経済破綻だ。実状はどうなっているのか。荘口彰久アナが岩手・大船渡市のハローワークで聞いた。

「いま、お金をいくら持ってますか」

失業手当の平均7万9933円

   ★64歳の元建設業の男性。会社も車も流された。

「(手持ちの金は)ゼロですよ」

   預金通帳の残高はマイナス111万円。車のローンが重い。

   ★水産工場勤務だった34歳の男性。預金残高はマイナス28万7022円。水産業保険の半月分4万6040円が入っていたが、前の給料の6割。

「借金はあるし、生活できないよ」

   ★28歳の女性。販売業だったが、自宅が倒壊し小学校に避難している。労働時間が週20時間以下だったので、失業保険を受けられない。財布の中は小銭ばかりで1132円だった

   ★離婚して母子家庭の20代の女性。元夫の会社も被災し、以来養育費届かず。通帳は14万円。「あと2か月続くと破産します」

   荘口がハローワーク大船渡で聞いた30人の失業保険の平均は7万9933円 だった。

   見えてきたのは、現行法が震災による失業者を救えていないこと。取材中に、大型バスで民主党国会議員団が視察に訪れた。「有効求人倍率は?」などの質問に、ハローワークは「資格が要らない仕事や女性は少ないです」

   ナレーションで「3か月も経って聞き取り調査?」

重機の資格講習に母娘

   陸前高田市では母と娘が資格取得に挑んでいた。鈴木恵美さん(44)と長女の美里さん(18) は、ドライビングスクールでショベルカーの講習を受けていた。整体師で開業半年だったが、店はなくなって借金100万円が残った。自由業だから失業保険の対象にならない。水産業だった両親も津波で廃業した。夫の収入15万円だけではやっていけない。最も求人が多い多いがれきの撤去作業に就くには、重機の資格が必要だった。

   いま岩手にこんなテレビCMが流れている。「自分たちも仕事がしたい」という女性たちが、漁の網を切りとって「浜のミサンガ・環(たまき)」(1100円)を作った。「三陸に仕事を、プロジェクト」という。

   司会の小倉智昭「みんな必死でしょうね」

   竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)「福島で酪農家が自殺した。将来が見えないのが大きい。青写真だけでも示 さないと」