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「15%節電」違反は罰金1時間100万円―企業「知恵と我慢」で乗り切れ!

   先週末は日本列島の10か所以上で39度を記録した。この猛暑のなか、節電15%がまた様相を変える。7月1日(2011年)から電気事業法27条の「電力使用制限」が発動され、契約500KW以上の大口使用者は節電が強制になる。

   しかも、1時間あたり100万円以下の罰金付きだ。5時間違反すると500万円以下。これが東電管内では9月22日まで、東北電力では9月9日まで続く。平日午前9時から午後8時まで。これはきつい。

宝酒造「上り2階分、下り3階分」エレベーター禁止

   企業はいま節電に必死だ。キーワードはどうやら「がまん」。東京・日本橋の宝酒造は「2アップ3ダウン」を実施中だ。上りは2階分、下りは3階分ならエレベーターを使わない。みんな暑い中階段を上り下りしている。

   ソフトバンクは孫正義社長が陣頭に立って節電目標を30%とし、オフスペースも削減した。パソコンの管理でも節電をと、タブレット端末「iPad」を全社員に支給した。内蔵電池で10時間近く動くので、電力使用のピーク時をこれで乗り切ろうというのだ。

   オフィス内に緑を持ち込んだのはオフィスデザインの翔栄クリエイト。本物の樹木、蔓草などをはわせ、普段はパソコンのあるスペースの室温は28・8度だが、緑のある場所は25・7度。「目で見ても涼しい。これも大切」と社長。

   東京・港区の映像翻訳会社「ワイズ・インフィニティー」はただひたすら「我慢」だ。エアコンは使わず扇風機だけ。「限界まで頑張る」というが、取材班が測ってみると、室温は31・7度、湿度66%。この時の外の気温は31.4度だった。取材中に、汗だくの社員からの要求で、女性社長がとうとうエアコンのスイッチを入れた。設定温度は28度だ。

管理職席移動で消費電力半分

   意外なアイデアも出てきた。窓側にあった管理職の席を内側にしてみると、 節電効果があるという。司会の小倉智昭は「工場なんかでは生産効率が悪くなって、経済に影響するんじゃないの」とうんざり顔だが、笠井信輔アナは部屋の模様替えの説明に忙しい。

「管理職が内側にくると、照明を暗くすることができるのです」

   森ビルが実施した例を図で示して、外に面した部分にいた管理職を内側へ入れ、そこを商談スペースにしたところ、エアコン、照明の節約などで消費電力が約4500KWhから半分以下の2100KWhになったという。

   小倉「大口企業だけが罰金まで課せられる。研究機関なんて、温度が重要なものもあるんでしょう」

   夏野剛(NTTドコモ元執行役員)がいい答えを出した。

「1か月くらい休みにした方がいいんじゃないの。日本の企業のホワイトカラーの効率の悪さは世界的ですからね。自宅勤務もやればいい」

   小倉「シエスタで2時間くらい昼寝するとか。ヨーロッパみたいに」

   どこで寝るのかも問題だが、あそこがいいなんて知恵を絞るのも悪くないかもしれない。