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九電「やらせメール」放送から10日たって共産党が暴露なぜ?

   司会の小倉智昭「いちばんやっちゃいけないことをやっちゃいましたね」

   まったく何考えてるんだか。玄海原発の再稼働についての説明会に、九州電力は関連会社に「容認(賛成)のメール」を送るよう指示していた。きのう(2011年7月6日)の衆院予算委で、共産党の笠井亮議員が明らかにした。

社長「ノーコメント」連発でまるで他人事

   説明会は経産省が先月26日(2011年6月)に佐賀で開いたもので、住民の出席は経産省が選んだ7人だけ。傍聴者なし、報道関係にも非公開で、ケーブルテレビとネットだけで中継された。お膳立てした資源エネルギー庁は「県民の4割以上が見るチャンスがあった」という。

   笠井議員ははじめ「もっとオープンな場で聞くべきだ」と問い、これを海江田経産相が「ケーブルテレビとネットのライブだから公開だ」と突っぱねたところへ、やらせメールを持ち出した。これには経産相も菅首相も「けしからん話だ」と認めざるを得なかった。

   九電も真部利応社長が会見して「自分の責任だ」と謝罪したが、「事業者の立場から安全性、必要性に理解を深めたかったのではないか」と人ごとのような口ぶり。会見を見た笠井信輔アナは「ノーコメントを連発したり、ペーパーが入ったりで、事実を認めるまでに30分もかかった」と話す。

   明らかになったのは、九電の原子力本部の課長級が先月22日、関連会社4社に「発電再開を容認する一国民の立場から、県民の共感を得うるような意見や質問」を説明会に送るよう指示、「自宅のPCを使うように」と念を押してあった。説明会にはメール473件、 ファクス114件が届き、うち11件 が読み上げられたが、やらせが含まれていたかはわからない。

メディアも動き出していた

   小倉は「子会社が関係者ですと堂々と名乗って意見を送っていてもよかったの に」と言い、これがまともというものだ。こんな姑息な手を使うこと自体、「原子力ムラ」の世間知らずを露呈しているのだが、笠井は「一方で、こうした指示が出ているよという告発もあったようで、取材を始めていたところもあった」という。元から漏れていたとすれば、ある意味大変なこと。

   にしても、これが表に出るまでになぜ10日もかかったのか。なぜ共産党からなのか。このあたり、なにやら時計の針が逆戻りしたような、原発をとりまく複雑な事情をうかがわせる。

   小倉「これで玄海原発の再稼働は振り出しに戻ったといわれますね」

   果たしてそうなるのか。この手の説明会は自民党時代はやらせが当たり前だった。民主党でどう変わったかを見るいい材料かもしれない。