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「ポスト菅」もはや誰がなっても「脱原発」しか選択肢なし

   脱原発は引き継がれるのか、原発依存に戻るのか―菅政権の終わりが近づきつつある。玉川徹(テレビ朝日リポーター)がこの疑問にスポットを当てた。

   菅政権で「脱原発」「減原発」を言っているのは菅首相だけで、大半は原発依存派なのか、黙して語らず。自民党はことここに至った反省もなく原発維持を掲げている。そんな連中に取り囲まれている菅首相の脱原発は尻切れトンボで終わるのか。

「一歩でも後戻りをしにくくしたい」

   菅首相の脱原発は本物なのかどうか。元TBSアナの下村健一内閣府審議官に「あまりに唐突で延命ではないか」と聞く。

「初出馬の時から脱原発を訴えていた。全く順序が逆で、延命のための政策ではなく、政策のための延命。それに延命するほど首相の椅子に魅力がありますか」

   では、残りわずかな日数のなかで脱原発をどう進めて行くつもりなのか。

「菅さんは『一歩でも後戻りをしにくくしたい』ということを言っています。次への方向を踏み固めて行きたいと」

   「次への方向は、状況からしてすでに固まっている」と言うのは脱原発を主張する環境エネルギー再策研究所の飯田哲也所長。

「『脱原発』『縮原発』は、誰が総理になっても進んでいく。一つには、停止している原発の再稼働は迷路に入っていて、来春は全基が止まるシナリオが現実にありそうということがあります。誰も今の安全規制体制を信じていませんから。もう一つは放射能問題が容易に収束しないことが分かってきたこと。収束の工程表は今後も無限に続き、『原発依存論』がもう成立しない土壌になっている」

態度曖昧な政治家…「維持派」だから?

   放射能汚染を巡る賠償問題についてはこう言う。

「東電の賠償額は今まで6~40兆円の幅で言われていたが、除染を加えると数百兆円のオーダーが出始めている。東電は今の上場会社の形を残したまま支払いできる金額ではなくなりつつあり、一般企業として残しておくことはありえない。チェルノブイリ事故でウクライナ政府は国家予算の数%、GDPの2~3%を費やし、今も除染していることでも想定できる」

   状況から見ても、脱原発に向かわざるを得ないというのだが、コメンテーターの松尾貴史(タレント)「政治家一人ひとりがそのことをどう考えるのか、明らかにしてほしいですね」

   立花胡桃(作家)も「(政治家は)状況を見ている人が多すぎる」と厳しい指摘をする。