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熱暑の直撃受ける被災地仮設住宅―むき出し鉄骨44度!

   うだる日本列島。10日(2011年8月)には今夏最多の36都府県151地点で35℃以上を超す猛暑日を記録した。

   この猛暑続きで深刻なのは東北被災地の仮設住宅に住む被災者たちだ。番組のリポーター・黒宮千香子が過酷な生活を取材した。

風がまったく通らない2K

   黒宮が訪れたのはプレハブの仮設住宅。2つの部屋にキッチンの2K。エアコンは1部屋にあるだけ。サーモグラフィで室内を撮影すると、部屋の中にむき出しの鉄骨の柱や天井は真っ赤で、鉄柱に触ると「熱い!」。44℃に達していた。

   黒宮が「これ見て!」とサーモグラフィの真っ赤な映像を見せると、被災者の住人は「ただ口を開くだけね。クーラーつけなきゃいられない」とゲンナリしている。

   黒宮によると、風の通り道に窓が設置されていないという仮設住宅の構造にも問題があるという。先に、岩手県の被災地を訪れた司会の赤江珠緒も「急きょ建てられたので難しいところもあるけど、人が出入りできる床からの大きな窓がないんですよね。部屋に入っても開放感はなく、空気が溜まるようになっている」

   そんな過酷な仮設住宅にも節電の呼びかけが行われているようだ。先月末の豪雨で東北電力管内28か所の水力発電所が発電を中止。100万kwも電力供給が落ち込み、猛暑の最中、供給余力が5%を切ることもあり、東京電力や北海道電力に融通してもらって凌いでいる。

   件の住人に「節電は?」と聞くと、「代わりに昼間はテレビ見ないから」

冬の寒さはもっと厳しい

   とりあえずこの猛暑の夏を耐えるしか方法はないようだが、いずれやってくる酷寒の冬をどう過ごすか。ガレキが撤去され、更地に整備された被災地が多くなった。後手に回る政府の復興策を待っていては、いつまでも過酷な生活から脱出できない。被災者のもとの住まいに、仮住まいでもいいからちゃんとした住居を建てられる施策はないのだろうか。