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東電「水素爆発の危機感なかった」政府・事故調に証言

   「爆発は予測できなかった」

   東京電力福島第1原発の1号機の水素爆発について、政府の事故調査・検証委員会に対し、東電側が爆発前に予測できていなかったと証言していることが明らかになった。

圧力下げるベントのマニュアルもなし

   1号機の水素爆発が起きたのは地震翌日の3月12日(2011年)午後3時半過ぎ。この爆発で原子炉建屋の上部が吹き飛んだが、東電は原子炉や格納容器の状態に気を取られ、水素が建屋内に充満して爆発する危険性に気付かなかったのだという。

   水素を逃がすベントについてもマニュアルがなく、設計図などを参考に作業手順などを決めたが、全電源がダウンしていたために集められたバッテリーなどの機材は仕様がバラバラで、必要なものを選別するのに時間がかかってしまった。

   司会のみのもんたは「どうしてこんな初歩的ミスが起きたのだろう。あらゆる場合を想定したリスク管理という意識が欠如していたのではないか」と呆れ顔だ。

米専門家の指摘も知らぬふり

   コメンテーターの若狭勝(元東京地検特捜部副部長・弁護士)も「日本の原発は安全だという神話を社員たちも信じ込んでいたのではないか。そのために、リスク管理という意識が希薄になっていた。原発に関わる者としてあるまじきことだ」と批判した。

   城戸真亜子(洋画家)「こういう場合にはこう対応するというのをなぜ決めていなかったのか。今回の事故は人災だとされても仕方がない」

   福島タイプの原子炉では、全電源喪失、メルトダウン、水素爆発という可能性があることは、米国の専門家が早くから指摘していた。東電、政府、学者らの「原子力村」の連中は安全神話を信じていたのではなく、不都合なことは聞かなかったことにして、安全神話を国民に信じ込ませるために安全対策を怠ってきたといえるだろう。東電、原発行政担当者らの刑事責任を問う時期に来ているのではないか。