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紀伊半島ズタズタにした「深層崩壊」岩盤ごと崩落

   紀伊半島を中心に各地で河川の氾濫や土砂災害を引き起こし、死者・行方不明者合わせて100人以上の被害を出した台風12号。現在もなお約2500人が孤立状態に置かれている。なぜこれだけの犠牲が出たのか。

安全と思われているところも危ない!

   「朝ズバッ!」取材スタッフは奈良県・十津川村に向かったが、国道166号は村の手前で崩壊・寸断され、奥平邦彦リポーターは「この先10メートルで完全に道路は破壊され、電柱もなぎ倒されて谷に落ちています」と伝える。

   スタジオでは十津川村平谷地区の岡淵邦宏さんと衛星電話で結び、司会のみのもんたがいまの状況を尋ねる。

   岡淵さん「電気は通じているが、水道はダメになっている。携帯電話も通じず、外部とうまく連絡が取れない。食料も少なくなっていて、危険を覚悟で船で買い出しに出ているぐらいです」

   井上貴博アナウンサーが「これだけの被害を引き起こしたのは深層崩壊が生じたからです」と土砂崩れと深層崩壊の違いに触れた。独立行政法人・土木研究所の小山内信智さんによると、「土砂崩れは表層の数メートル前後で起こるが、深層崩壊は岩盤ごと崩れる。それだけ被害も大きくなる」と説明した。

   群馬大学の片田敏孝教授は「地球温暖化によって豪雨が降りやすい環境となっている、その結果、これまで安全と思われていた地域も安全ではなくなりつつある」と話す。

2000年以降はハイペースで発生

   みの「深層崩壊を防ぐ手立てはないものか」

   内野雅一(週刊エコノミスト編集委員)「私たちがそういう地形に住んでいるということを自覚しなければ。そして、これまでの防災態勢、防災意識がこのままでいいのかを真剣に議論する必要がある」

   城戸真亜子(洋画家)は「災害が起きて、すぐに自衛隊や警察が出動して大丈夫かと思っていた。でも、救援活動が難航している。自然災害は本当に怖い」と顔を曇らせた。 1990年代の10年間に起きた深層崩壊は13回。しかし、2000年からはすでに21回起きているという。