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戻りカツオ高値…エサがない!出漁できず気仙沼も水揚げ激減

   14年連続でカツオの漁獲量日本一を誇っていた宮城県気仙沼漁港で、三陸沖合でとれる戻りガツオの水揚げが激減している。

   気仙沼港の去年のカツオ水揚げは約4万5000トンで、売り上げは約100億円。今年は1万トンしか水揚げされていない。

カタクチイワシの定置網―残っているの2つだけ

   井口成人リポーターが「例年ならば、水揚げを済ませたカツオ漁船はすぐにまた漁に出るのですが、今年は接岸したままです」と伝える。「魚はいる。だから、早く漁に出たいが、エサがない」とカツオ漁師は言う。

   カツオ漁はカタクチイワシをエサとした一本釣り。ところが、カタクチイワシを取る定置網が津波で流され、エサ不足で出漁が思うようにしいのにないという状況に追い込まれているのだ。カタクチイワシの定置網漁を岩手県宮古市で営む漁師・大和久雄さんはこう言う。

   「被災前には50個近くの定置網があったが、今は2個だけ。カタクチを供給したいが量が確保できない」

   司会の羽鳥慎一「なぜ、カツオ漁ではカタクチイワシなのですか」

   井口「カタクチイワシは普通のイワシより小振りで、カツオが食いつくにはちょうど良い大きさだからです」

   羽鳥「そのエサが手に入りにくいとなれば、漁師さんたちも大変でしょう」

取引価格は去年の2割高

   コメンテーターの青木理(元共同通信記者)は「震災と津波で海底の地形が変わったといわれています。また、流木で様々な網が壊されました。東北の漁師さんたちに大打撃ですよね」と話す。井口も「漁師さんたちは国や行政からの支援を待っています。でも、その支援の声がなかなか聞こえてこないと嘆いていました」と言う。今年の戻りカツオの取引価格は昨年より2割近く高騰しているという。