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タイ水害・大潮ピンチ!「しょうがないねー」市民は慣れたもの

   バンコクの水害は市の50の地区のうち25が水没した。きょう28日(2011年10月) は大潮のため、さらに被害が広がるのは確実だ。奥平邦彦レポーターが勢い込んで現地に飛んだが、緊迫感はなく市民はのんびりしたものだった。

食べもの屋台も水につかったままのんびり営業中

   午前7時半、司会のみのもんたが「奥平くーん」と呼びかけたが、時差2時間のタイはまだ真っ暗だ。「ドンムアン空港の近くにいます」というが、水はひざくらいまでで、バンコク市内と区別がつかない。そこで、きのうのバンコクの映像がいろいろ出てきた。

   水は王宮近くまで達し、プミポン国王が入院中の病院では土嚢を積む作業が続けられている。奥平が水没した市内の団地とマーケットを歩くと、「こんな水は初めてだ」といいながら、平気で水の中に立ったままの食べ物屋さんの屋台が開いている。ビニール袋をもった男性は、「氷だよ。電気はまだ来てるが、止まったとき食料を冷やすんだ」という。携帯電話や現金3万バーツ(1万円)をいれたビニールケースを首から下げたおばさん。「しょうがないねー」と笑っている。

   バンコクはもともと水の都。雨期になれば多少の出水は当たり前だ。子どもたちはいつも運河で遊んでいて、いまは通りかかるトラックにつかまって水しぶきを上げている。水の中でイスに座って平然とたばこを吸うおじさん。車だって走れる限りは水の中を走る。日本の水害とは全然違う。

乗り込んだ奥平邦彦レポーター拍子抜け

   みの「タイの人たち、パニックになってないんだね」

   奥平「おおらかな国民性でしょうか。食べもの屋さんもいまある食材を使い切るといいます」

   みの「水に慣れてるんだね」

   気象予報士の森朗が解説した。タイはこの雨期に4つの台風に見舞われ、上流のダムの水位が最大で2倍程度になった。これを2本の川に放流したが、川の合流点の標高はわずか25メートル。海から300キロも上流だからほとんど平らだ。その間に水がたまってしまった。流れというより風呂に水がたまるように、じわじわと水位が上がる。人々はいつもの雨期より大分多いな、そういえば「初めてだ」といった受け止めなのだ。日本の水害取材のつもりで乗り込んだ奥平には戸惑いがありあり。

   今回のトピックは工業団地が水没したことだった。インラック首相は「あきらめてない。全力をつくす」というが、水が引くのを待つしかない。11月には 雨期も明ける。しかし、それまでに大潮が2度来る。祈るしかない。