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橋下圧勝も当たり前!「大阪市役所が酷すぎた」

   大阪市長選は開票後13秒で当確、府知事選も次点に80万票差をつけあっさりケリがついた。圧勝が決まった後、橋下前知事と大阪維新の会の松井一郎が記者会見を行ったが、「質問がなくなるまでやります」という言葉通り、午後9時から始まり約3時間に及んだ。「大阪を変えるぞ」という気合が見え、細かなことだが、そうした姿勢が勝因に繋がったのではないか。

覚せい剤や強盗で年間十数人の逮捕者

   司会・小倉智昭の「今回の戦い方、結果については?」という問いに、生出演した橋下のブレーン、上山信一(慶応大総合政策学部教授)がこう答えた。

「3年間の府政の実績を有権者がよく見ていたことや争点が非常に分かりやすかったこと。このため、若い人が初めて政治に興味をもって選挙に行き、非常に盛り上がった。さらに、いちばん根っ子にあるのは大阪市役所がひどすぎた。年間10数人の逮捕者を出している。それも覚せい剤とか窃盗とか普通じゃないですね」

   その市役所の体質改善について、橋下は「公務員としての領分をわきまえず、政治に足を突っ込んだ職員は去ってもらう」とまくし立てた。

   一夜明けたその市役所前にリポーターが出向いて、出勤してくる市職員に感想を聞くと、「民意ですから」「言われるままです」とつぶやきながら登庁していった。

「都構想」実現は法改正や住民投票クリアして4年後

   夏野剛(慶応大特別招聘教授)がこんな感想を話す。

「日本の転機を大阪は先取りしている。いままで経済成長があったから、二重行政でムダなところがあってもカバーでき耐えられた。そういう時代から、今は縮小していく世の中になっている。ムダを排していかないと日本は維持できない環境下に置かれている。とくに大阪は状況がひどいので、先に枠組みを変えていこうということで動き始めたと思う」

   もっとも、橋下前知事の「大阪都構想」の具体的中身はこれから。今年度内に大阪府、大阪市、堺市で「推進協議会」を設置し、2年後の2013年に移行計画をまとめ、4年後の15年に「大阪都」に移行するという。それには地方自治法の改正や住民投票など高いハードルが待っている。大阪府民を味方につけてクリアしていけるか、本番はこれからだ。