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福島「放射能汚染砕石」マンションだけじゃない!全容把握は困難

   福島・二本松市でわかった砕石の放射能汚染問題がさらに広がりを見せている。問題の砕石はマンション建設以外にも何か所かで使われていた。砕石場は福島第1原発から約20キロ、計画的避難区域だが警戒区域にごく近い。ここで採掘された砕石5200トンが生コン会社2社 と建設会社17社に出荷された。期間は昨年(2011年)3月11日から4月22日まで。それ以後は区域指定で立ち入りできなくなった。問題は砕石の行き先だ。

林道や農業用道路にも使用

   汚染砕石を使った二本松市内のマンションで高い放射線量が見つかったのが発端だ。マンションの12世帯のうち10世帯が放射能汚染を逃れてきた人たちである。「市役所に相談したが、国や県がやらない限り動けませんということだった」という。

   施行業者は「考えてもみなかった。寝耳に水でびっくりです。線量を下げることが可能かどうか」と話し、砕石業者も「放射能のことは考えてもいなかった」という。

   砕石の行方をたどると、マンション業者は同じ砕石を使って農業用水路を作っていて、コンクリートの表面から毎時1.6~1.9マイクロシーベルトという高い値が検出された。他の業者は135トンを仕入れ、31トンを小学校の通学路舗装に使用したが、ここは平常値だった。「アスファルトが4センチ覆っているから」だ。砕石は林道や農業用道路などにも使われていたが、全容の把握はできていない。

また後手に回った行政の対応

   司会の羽鳥慎一「家も新築だけど、大丈夫かと思っちゃうでしょう」

   首都大学東京の大谷浩樹准教授は「(マンションの放射線量でも)急性の障害は出ない。子どもが通りかかっても大丈夫」という。ただ、除染となると「砕いて混ぜ込まれているので不可能に近い」そうだ。今回はこのマンションに居住するの女子中学生が付けていた線量計が高い値を表示したため見つかった。大谷准教授は「順番が逆です」 という。本来は行政が見つけないとおかしいというわけだ。

   県外でも同じようなことが起る心配もある。隣接県でも一時高い汚染が及んでいるからだ。羽鳥は「相当広がるかもしれない」と心配する。舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)は「誰もが被害者になっている。しかし、東電は責任がないといっている。仲介もまだ少ない。結局、事故の後、データを公表せずに『大丈夫』と言い続けた政府の責任は大きい」