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卓球全日本2勝のスーパー小学生・出雲卓斗君「1人で海外武者修行」

   司会の羽鳥慎一の「週刊人物大辞典」コーナーの今週の顔は2人のスポーツ選手だった。テニスの錦織圭(22)、もう1人は小学6年生生だ。卓球の出雲卓斗君12歳。全日本選手権で最年少勝利。小学生が勝ったのは初めてで、しかも2度勝った。

   この選手権では福原愛(23)が悲願の女子シングルス優勝し、男子でも18歳の高校生、吉村真晴がロンドン五輪代表の水谷隼(22)を破って優勝するなど話題が多かったが、もうひとつがスーパー小学生というわけだ。

「家族旅行なし。熱があっても365日練習」の卓球漬け

   出雲卓斗君は1月19日(2012年1月)の試合で、身長153センチ、体重45キロながら高校生相手に堂々の勝利。2回戦では大学生相手に一時劣勢に立たされながら、逆転で勝利した。本人は取材のカメラに「2回戦まで勝てて嬉しかったです」と淡々としている。

   出雲君を訪ねると、金沢市の遊学館高校の卓球部員と一緒に練習していた。ここで毎日4時間以上やっているという。遊学館高校の植木大監督は「センス、神経系の発達が優れていて、ラケットのタッチがいい。ボールさばきが上手」という。一緒に練習していた高校生選手たちに聞くと、「すげえ」「悔しい」という声ばかりだ。

「なぜ悔しいの」
「予選で卓斗君に負けてしまった」

   石川県中能登町出身。おじいさんが卓球大好きで、父も母も妹も選手という卓球一家だ。卓斗君は3歳から父の卓さん(35)の指導で、1日も休まず練習を続けているという。家族旅行なし。熱があっても365日練習、毎朝5時45分に起きてサーブの特訓という日々だそうだ。卓さんは「教えていて、飲み込みが早いことは感じました」という。教育方針は「やるからには魅せる試合をしなさい」

   2005年に全日本卓球選手権のバンビの部(小学2年以下)に出場し、翌年3位、昨シーズンはホープスの部(小6以下)で優勝した。そして今年、一般男子に挑戦したというわけである。

   今は親元を離れて植木監督の家に下宿している。記者が「寂しくない?」と聞くと、

   「ない。全中で優勝して、将来はオリンピックで金メダルをとりたい」「とれそう?」「はい」という。

オーストラリアに1か月留学

   羽鳥「どうです?小学6年生が自分で家を出て集中するんだと話してます」

   藤巻幸夫(ライフスタイルプロデューサー)「才能はあるんだろうが、意識が高い」

   長嶋一茂(スポーツキャスター)「保護者の方の協力で成り立っている。一流になる人は、最初は親からの影響でも、どこかで親子の関係が邪魔になったりする。どこかで親離れをするんだが、ずいぶん早いなと思う」

   ここで羽鳥が「もっと上へいきたいというので、卓斗君はきょう1人でオーストリアへ行きます」

   「エーッ」とみんな驚いた。

   羽鳥「いま石川から成田へひとりで飛んでいるところです」

   長嶋「小学生が1人で乗れる? おれ乗れなかったけど」

   羽鳥「留学するんです」

   長嶋は「1人で海外へ行けるの?」

   赤江珠緒キャスター「長く?」

   羽鳥「とりあえず1か月だそうです」

   吉永みち子(作家)「こういうのを乗り越えると、人はたくましくなるんだろうな」

   テニスの錦織だって13歳からアメリカのテニス・アカデミーに留学している。かくも金をかけないと栄光は得られないのか。才能だけじゃダメということかと考え込む。