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葉書ごめんなさい大賞「津波のとき自分だけ逃げてしまった」

   「津波に襲われたら、バラバラに逃げろと言われているから謝ることはないよ」とキャスターのテリー伊藤は励ます。人には誰にも言いそびれた「ごめんなさい」の一言がある。 そんな「ごめんなさい」を素直な気持ちで1枚のハガキに託した「はがきごめんなさいコンクール」が高知県南国市主催で今年も開催された。8回目を迎えた今回の応募数は約1800通。どんなごめんなさいという思いが込められていたのか。番組では大賞や優秀賞を受賞した作者の横顔を紹介。

家族を真っ先に避難させた父親

   優秀書に選ばれたのは香川県三豊市の古市綾美さん。

お父さんはわかってるよ
「お父さん、モアイと呼んでごめんなさい」

   口と鼻が大きく顔の形が角張っているところから、古市さんは父親のことを密かに「モアイ」と呼んでいた。そこで、番組ではモアイと呼ばれていたお父さんを取材。司会の加藤浩次は「全然、似てないじゃない。むしろ、いい男だよ」と誉めた。

   大賞に輝いたのは宮城県名取市の大場志保さん。昨年の東日本大震災による大津波で、「お父さんだけを残し、自分たちだけ逃げてごめんなさい」。コンビニを経営していた父親は店にとどまっていた。

   加藤「お父さんは津波にのみ込まれた瞬間に記憶をなくしたが、それでも頑張って瓦礫の山にはい上り助かった。家族全員で一緒に逃げてたら、もしかしたら全員やられていたかもしれない。お前たちは先に逃げろと言ったお父さんの判断は正しかったと思う」

   コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)も「恥じる必要はない。大場さんのお父さんは津波に襲われながらも奇跡的に助かったが、助からなかったお父さんたちがたくさんいる。必死で頑張ったお父さんを称えてあげないと」と語った。

   人の数だけ「ごめんなさい」はある。