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イラン・イスラエル戦争モード―核開発加速に軍事攻撃の危機

   国連による制裁決議にもかかわらず、核開発を加速させているイランは、今年に入って新たな核施設を稼働させ、ウラン濃縮の性能を向上させた新型の遠心分離器を導入したと発表した。キャスターの国谷裕子は「イランは世界中からの警告を無視して、核兵器開発を加速しています。そして、宿敵であるイスラエルとの対立が深まりつつあります」と伝える。

欧米の経済制裁受け入れるわけにいかない国内情勢

   あくまでも核の平和利用だと主張するイランに対し、IAEA(国際原子力機関)は「イランは核兵器の開発に等しい研究を行っている」と断定している。こうしたイランの動きを国家存亡の危機と見なし警戒を強めているイスラエルは、「イスラエルの殲滅を掲げるイランの核兵器開発を第2次世界大戦時のホロコーストになぞらえ、核兵器開発を阻止するためには軍事攻撃も辞さない構えを見せている」(国谷)。

   ゲストの田中浩一郎(日本エネルギー経済研究所理事)は、「今月初めに投票が行われたイラン議会選挙では、強硬な超保守派が台頭しました。しかし、イラン経済はイラン通貨の価値が50%も下落し困難な状況に陥っている。ここで欧米の圧力に屈し、経済制裁を受け入れて核兵器開発を止めたら、政権の基盤が崩壊する恐れがあります」と説明した。

国民全員にガスマスク配布

   国谷「イランは今後、対外姿勢を硬化させる可能性がありますか」

   田中「欧米はイランの核開発を止めるための経済制裁を強化する一方で、懸命の外交努力を続けています」

   一方、イスラエルは国民全員にガスマスクを配布して戦時に備える。国谷は「イスラエルは2007年にもイランの核施設に対して空爆を行った過去があります。双方は妥協できないのでしょうか」

   田中「お互いの意思疎通が重要です。このままウラン濃縮活動を続ければどれだけのリスクを背負うことになるのか。あらゆるチャンネルを使ってイランを説得することが求められています」

   説得ができなくなっているからこの危機が起こっておるわけで、これではなんの答えにもなっていない。最近の「クローズアップ現代」はお座なりなコメントで終わることが多すぎないか。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2012年3月12日放送「イランとイスラエル 衝突は避けられるか」)