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菅首相「東電幹部怒鳴りまくり映像」なぜか音声なし!

   福島第1原発で爆発があった直後の昨年3月15日未明(2011年)、東京電力本社に乗込んだ菅首相(当時)が、撤退をいう幹部を怒鳴っている映像が存在した。しかし、東電はなぜか公表を拒んでおり、枝野経産相は16日の会見で「公開しないのは意味不明。公開すべきだ」と東電の対応を批判した。

10分以上も激しく叱責

   この事実は14日に開かれた国会の原発事故調査委の会合で明らかにされた。映像を見た委員が「菅総理が東電の幹部を前に10分以上激しく演説されていた」と話した。ただ、奇妙なことに音声は入っていなかった。委員会に参考人として出席した武藤栄顧問(当時副社長)は「経緯は知らない」と答えている。

   東電は本店と原発などとのテレビ会議を録画するシステムがあったが、一部報道によると、首相の同行者が録音をしないように働きかけたといわれる。このときの菅の様子はすでにさまざまに伝えられているが、武藤顧問は「非常に激しい口調で、全員撤退はありえないとおっしゃって、厳しく叱責をされたと記憶しています」と話した。

「社内資料だしプライバシー保護」と公開拒否

   15日の早朝は2号機のメルトダウンが懸念される緊急事態で、東電が撤退したいといったのを菅がとどめたということになっている。しかし、東電は「全員撤退とはいっていない」と言い分が食い違ったままだ。映像はその時に実際には何があったかがわかると期待されるのだが、東電は社内資料であること、プライバシーの保護などを理由に公開を拒んでいる。服部孝章・立大教授は「プライバシー云々は筋が通らない。国は懸命にやっていたんだ、あるいはやっていなかったと伝えることは重要だ」と批判している。

   司会の小倉智昭は「なんて言ってるんでしょうね。あるいは、東電に具合の悪いことでも言ってるのか」

   田中大貴アナ「あと、初動の映像もないそうです」

   小倉「アメリカの調査報告はすごく詳しいというでしょ」

   小野由美子(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版編集長)「3200ページですよ。これに比べて、事故が起こった日本では議事録もないのかとなりますよ」