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東映自作「戦隊セルフパロディ」元ネタ知らなくても笑いどころ満載

非公認戦隊アキバレンジャー(BS朝日5月11日金曜深夜1時30分、TOKYO MX 5月14日月曜深夜1時)>テレビ朝日と東映による子供向け「スーパー戦隊シリーズ」は、1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から始まって、現在も36作目の「特命戦隊ゴーバスターズ」が日曜朝に放送されている。その人気は大変なもので、日本各地にご当地ものの戦隊のパロディも多数存在する。

   そこにこの春、突如そんな「戦隊業界(?)」に乱入したのが、「非公認戦隊アキバレンジャー」である。タイトルからは、公式な戦隊シリーズではないこと、秋葉原のご当地戦隊っぽいことしかわからないが、本家の東映が制作し、かつ公式な戦隊シリーズを何度も経験している主要スタッフが集結した番組で、いわばセルフパロディである。ただし、やはり公式な戦隊ではないので、テレビ朝日での放送はない。

マニアも知らない楽屋落ち

   第6話は「東映東京撮影所」の所長・白倉伸一郎氏(実在。かの怪作「シャンゼリオン」「仮面ライダー」などプロデュース)あての荷物がレッド(和田正人)が勤める運送屋に届いて、それをきっかけに撮影所に出向くというお話だった。撮影所入口付近の坂道(大森坂)で、レッドが「『タイムレンジャー』のアヤセが雨にうたれたのがまさにココ」とペットボトルのお茶を雨に見立てて自分に降らせる。彼の痛さも笑えるが、マニアなら「そんなのマニアでもなかなか知らないぞ」という笑い方もできそうだ。

   白倉所長への荷物が「アキバPCパーツ」とかなっていたが、白倉氏はプロ並みにコンピュータに詳しく、実際に買っていそうということから来ているようだ。こういうディテール作りは、実際に仕事しているスタッフじゃないとできない面白さだが、考えてみると、単にスタッフが内輪ネタで遊んでいるだけな気もする。とはいえ、作劇的にも、巧妙に彼らの「痛さ」が伝わるように構成されており、スーパー戦隊のパロディや小ネタは知らなくても、笑って楽しめる。

鯖野かサバり