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東電役員ナマ出演「原発6台動かせれば値上げ元に戻します」

   エンタメ系の「スッキリ!!」が電気料金の値上げに切り込んだ。東京電力は7月1日から家庭向けの10%値上げを申請しているが、とにかく説明不足で消費者からは総スカン。東電も島田保之・執行役員をナマ出演させて、珍しい対決となった。

   電気料金の仕組みはこれまでほとんど知られていなかった。毎月の請求書にも明細はないし、コスト削減の度合いもわからない。おまけに社長が値上げは「義務であり権利であります」と言い放ったから日本中が頭にきた。

東電利益の91%は販売量38%の家庭向けから

   値上げ申請は平均10.28%で、標準家庭(30A、月の使用量290キロワット)では、月に480円(6.9%)の負担増になる。理由は、原発事故被害者の補償に加え、原発廃炉・停止で火力発電の燃料費が1兆円増えたなどだ。しかし、一般の受け止めは、本当に企業努力しているのか、料金構造が見えないというのが根強くある。「スッキリ!!」が聞いた街の声は100人中88人が反対だった。

   きのう23日(2012年5月)に開かれた電気料金審査専門委員会では、利益を上げている割合が明らかにされた。電気の販売量では家庭向けは38%(他は企業向け)なのに、利益の91%をそこから上げていた。キャスターのテリー伊藤は「まったく知らなかった。急にこんなこといわれても」と驚いて話す。

   司会の加藤浩次「値上げされたら従わざるをえない」

   テリー「言いなりですよ」

   東電の島田役員はそうしたデータを説明してこなかったことを詫びたが、今回の値上げ申請は向こう3年間の必要な経費を算出した結果で、利益の割合は6年前の新潟地震で柏崎原発が影響を受けて構造が変わったのだという。また、コストダウンも「皆様のご意見いただきながら」と話すと、加藤が「ご意見をいただきながら…だとまだ余力を感ずる。ここまでやったからといってもらわないと」噛みついた。

「このまま動かなければ料金値上げは15%」

   加藤「値上げできなかったらどうなるのか」

   ここで島田は、待ってましたとばかりに原発再稼働に触れた。「来年4台、 さらに2台が再稼働すれば、(料金は)元に戻せる」

   テリー「柏崎が動くという前提ですか」

   島田「このまま動かないと、値上げは15%くらいになってしまう」

   また、昼間の1時から4時の料金を高くする「ピークシフトプラン」を紹介して、利用時間をずらすとかの対応が必要がともいった。

   テリー「洗濯の時間をずらすと騒音も問題になる。値上げ分を払わないという消費者にはどうするのか。電気を止めるのですか」

   島田「ご理解をいただきながら…」

   最後に加藤が「もっとコスト削減をして、また来て下さい」と締めくくった。確かにわかった部分もあった。しかし、まだ余力があるという疑いは消えない。