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「社会保障置き去り消費増税」官僚たちがほくそ笑んでいる!

   社会保障と税の一体改革の与野党3党 の修正協議が始まったが、増税にウエートがかかって、社会保障は棚上げの流れが濃厚だ。当然ながら、これに民主党内から異論が吹き出している。協議の期限まであと3日だ。「まとまりますか?」と司会のみのもんた。

しっかり民自合意している「税率と時期」

   きのう12日(2012年6月)から始まった 「一体改革合同会議」は、修正協議の進捗状況を報告し論議する場だ。担当の細川律夫・前厚労相は「社会保障をしっかり」と「増税先行」 を否定したが、出席した100人を超す議員からは異論が続出した。修正協議では「増税時期と税率」で合意が進む一方で、民主党マニフェストのひとつ「最低保障年金の創設、後期高齢者医療制度の廃止」が、自民党提案の「国民会議」に委ねられることへの反発が強い。「社会保障を棚上げにしたら何のための増税なのか」というわけだ。

   事実、夜になって再度開かれた修正協議でも、社会保障はほぼ平行線、年金問題は3党の主張が大きく食い違う。消費税の低所得者対策でも、現金支給か軽減税率かで食い違い、総合子ども園も押し切られそうな雲行きだ。

   田崎史郎(時事通信解説委員)は「実務者レベルでは7割方合意しているのだが、党内の了解が得られるかどうか。大衆討議に火がついてしまった」という。この日出席した中間派議員は「増税反対とマニフェスト死守」の小沢グループにも属さず、執行部とも距離を置く人たち。必ずしもまとまりがあるわけではない。しかし、おととい野田首相が口にした「解散」の可能性については、むしろ感情的に反発となっているという。

増税では野田応援、年金改革つぶしでは自民党けしかけ

   慶応大教授の片山善博片山善博が面白いことを言った。「この論議で出てこないのが官僚。彼らには野田政権の増税はいいが、最低保障年金とか嫌なものもある。それを自民党が『やめろ、やめろ』と削ろうとしている。争っている人たちの影を、私なんかは見てしまう」

   片山はいまの状況を「マニフェストにない増税を実現するために、(修正協議で)マ ニフェストに掲げたことが消えちゃうという奇妙キテレツ」と指摘する。田崎は「政府の方針を党(輿石幹事長)が縛っているような状況だから、時間がかかるかもしれない」ともいう。これでほそ笑んでるのはだれだ?