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長妻昭元厚労相「自民党案丸呑みしない。最後は選挙で国民に聞く」

   社会保障と税の一体改革法案の修正協議で、野田首相はますます「柔軟」になっているが、民主党内からは「理念まで譲るのか」と批判が噴出している。それでも、なお「丸のみ」を迫る自民党は強硬だ。期限はあす15日(2012年6月15日)。はたしてまとまるのか。長妻昭元厚労省がナマ出演で質問に答えた。

自民党「追い込み解散」にギアチェンジ

   自民が提示した「社会保障制度改革基本法案」について、野田はきのう(6月13日)、「丸呑みはできない」としながらも、党幹部に「民主党の考えを盛り込んで共同提案できるよう努力してほしい」と指示したという。前原政調会長は指示を認めたが、「最低保障年金、年金一元化、後期高齢者医療制度廃止の旗を降ろす気はない」という。増税反対の小沢元代表はやけに元気に執行部批判をぶつ。

   自民党は攻めの姿勢だ。石原幹事長は「15日までに合意できなければ協議は打ち切り」と述べ、民主党・長妻昭元厚労相の言葉をひいて「公約を取り下げるくらいなら国民に信を問うた方がいいと、長妻さんいいこといってくれた」と息巻く。山本一太参院議員は「合意に関わらず、首相に問責決議を出す」という。修正協議でも社会保障を担当している長妻に聞く。

   司会のみのもんた「丸のみ、丸のみといいますが…」

   長妻「丸のみではない。消費税の5%アップ分は社会保障に使う。これを増税先行にならないようにする。すでに借金が1000兆円ある。金利だけで10兆円。これ以上の借金はできない」

   みの「身を切る努力は」

   長妻「ムダを省くなどで10兆円以上を捻出したが、さらに議員と公務員の報酬をカットした。定数削減はまだできていない」

   金井辰樹(東京新聞政治部記者)「1票の格差是正を増税より先にやるべきだ。覚悟が足らない」

   長妻「89人削減は党内では合意できているが、野党と合意できていない」

   北川正恭(早大大学院教授)「これができないと解散権にも関わるから、税の一体改革の方が飛んでしまうことにもなる」

このまま総選挙やっても最高裁判決で「無効」

   みの「修正、修正が気になる。いざとなったらまた修正も?」

   長妻「旗は降ろしてない。一体で考えてもらわないと」

   みの「合意できなかったらどうなりますか」

   長妻「われわれもぎりぎりの提示をしているので、総理も決断するのではないか。妥協は必要だが、党の理念までは捨てられない」

   金井「理念をどう残すのか。自民案を修正でいくと丸のみになる」

   長妻「基本法の他にも法案があって、全体で見てもらいたい」

   北川「基本法を通さないといけない。最後にはエイヤッということになりはしないか」

   みの「明日ですよね。結論が出なかったら土日は大変なことになる」

   長妻「私が厚労相のときから、社会保障については野党に協議を呼びかけていたができな かった。ヨーロッパでも社会保障だけは政局抜きに協議をしている。今回を契機にこれを常設していくという話になればありがたい」

   みの「野田さんは覚悟してると言ってましたね」

   長妻「言ってましたね。理念を守ってお互いぎりぎりまでやって、むずかしければ国民に聞く。それが民主主義」

   みの「解散・総選挙が無効だよとならない?」

   北川と金井「なりますよ。司法の立場がある」と、最高裁が現在の衆院選挙の1票格差を違憲としていることに触れた。それを先にやっておかないからこうなる。