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子供のケンカになっちゃった!野田親書受け取り拒否と「外務省に入れない」

   まあ前代未聞が2つ重なった。野田首相が送った親書を韓国の李明博大統領が受け取りを拒否し、返しに来た韓国大使館員を今度は日本側が門前払いにした。親書は書留で送り返されることになった。

   騒動のもとは李の突然の竹島訪問とその後の天皇に謝罪を求める発言などだ。大統領の真意は不明だが、親書は一連の動きに遺憾の意を伝え、竹島問題の国際法に基づく解決を呼びかける内容だった。

竹島を紛争地域と認めたくない韓国側の危機感

   韓国外交通商省は「受け入れがたい不当な内容が盛り込まれている。返送は当たり前だ」としている。受け取ると、竹島が領土問題の紛争地域と認めたことになると恐れているからなのだろうが、突き返すというのは外交上は非礼極まる。

   野田首相も国会で「常識を逸脱している。首脳間の親書を返すというのはどうしちゃったんだろうと、あまりにも冷静さを欠いた行動ではないか」と憤懣やるかたなしという表情だった。

国際的には「どっちもどっち」に見られかねない拙策

   しかし、韓国大使館の参事官がアポなしで外務省を訪れ、「約束がないから」と守衛に追い返されるというのもあまり聞いたことがない。

   司会の羽鳥慎一「親書を送り返すのは失礼だが、日本側も…」

   吉永みち子(作家)「冷静さを欠くといってる方が同じことをやってる。非礼を国際社会に伝えればよかったのに、同レベルのイメージになっちゃった」

   元外務官僚の孫崎享は「非礼を返しちゃいけない。紛争を抑えるのが外交の役割なのに残念だ」という。羽鳥が外務省前の映像を見て、「韓国大使館員が拒否されている後ろをゆうパックのトラックが入っていったのが象徴的」と笑う。

   孫崎「親書というのは個人から個人への手紙で、公文書とは違うが、信頼関係がないと成り立たない。内容はいくら厳しくてもいいが、儀礼的には文句を言われないようにしないといけない。まあ、40年間も外交官やったが、(外務省の)敷地内に入れなかったというのはない(笑い)。どっち もどっちといわれちゃダメ」

   吉永「この映像、韓国の人が見たらもっと怒りますよ」

   いったいだれがこんな判断したのか。外務省が子どものケンカでは困る。