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優しい先生はニセ医者だった!東京・高島平の病院で2300人診察…うち100人誤診

   経験豊かで優しいお医者さん。多くの患者がそう思っていた。でも、医師免許を持たないニセ医者だった。岸本哲也リポーターがその男の行方を追った。

   岸本「このニセ医師がこれまで勤務していたのは東京の板橋区にある高島平中央総合病院で、これまで診察したのは約2300人。健康診断ではほとんどの患者さんに異常なしと診断していましたが、病院がニセ医者と分かって再診断したところ、約100人が異常とされました」

医療専門学校の講師アルバイトでバレた

   岸本がニセ医者の住んでいたマンションを訪ね、ドアホーンを鳴らしたが応答はない。「ずいぶん前から帰宅していないようです」。男を知る隣人は「礼儀正しい人でしたよ。顔を合わせれば行ってきますとか、ただいまと必ず挨拶をしていましたから」と話す。

免状1枚だけ!?
 

   岸本「ニセ医師は病院に勤務するかたわら、医療専門学校の講師として解剖生理学を教えて、生徒たちの評判も良かったようです」

   メインキャスターの小倉智昭「どうしてニセ者とわかったの?」

   岸本「専門学校に『あいつはニセ医者だ』という匿名の電話があったそうです。学校が病院に連絡してニセ医師だということが発覚しました」

実在の医師に成りすまし。免許など書類コピー

   小倉「病院がそのニセ医師を雇うとき、身元をしっかりと確認しなかったのかな」

   岸本「この男性と病院の間には人材派遣会社が入っていました。通常、医師を派遣する場合は医師免許や保険証、専門医認定書など6種類の書類で確認することになっていますが、派遣会社には実在する医師の免許のコピーが提出されていました」

   小倉「医師免許というのはこの免状1枚だけなのかあ」

   コメンテーターの夏野剛(慶応大学大学院特別招聘教授)は「医療界のID化が遅れているんです。運転免許にもICチップが入っている時代に、医師免許が偽造されないような仕組みが必要です」と話す。実在する医師の免許コピーをどうやって入手したのだろうか。ブローカーがいるんじゃないか。