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自宅トイレで遭難!一人暮らし80歳老婆―ヤクルトおばさんが3日目に救出

   北海道・室蘭市の警察で12日(2012年9月)、ヤクルト販売員の佐藤知子さん(69)に立派な額に入った感謝状が手渡された。自宅トイレの便器と壁の間に挟まり、3日間身動きとれずにいた一人暮らし80歳の女性を救出したことに対するものだ。

転倒して便器と壁に挟まれ身動きできず

   事故が起きたのは今月1日午後8時ごろ。女性がトイレに入ろうと便器に手をかけたところ、手が滑って転倒し、壁と便器の20センチほどのすき間に上半身が挟まり身動きできなくなった。大声で助けを求めたが、一人暮らしで、近所にも届かなかった。

   翌日の2日、佐藤さんは年に1度の敬老会の出欠を確かめるために女性宅を訪れたが、留守と思って引き上げた。その翌日も再び訪れたが、やはり留守と思った。出欠確認の期限が迫ってきたため3か目も訪れ、郵便物が溜まっているのを見て「嫌な予感がした」という。念のため戸を叩いて、大声で「誰かいますか」と叫んでみた。すると、奥で壁をトントン叩くかすかな音がするではないか。佐藤さんは近所に助けを求め警察に通報。駆け付けた警察官によって女性は無事救出された。

   救助に当たった警察官によると、「女性は腰の痛みを訴えていたが、事故に遭ったいきさつを話せる状態だった」という。まだ入院中だが、体力も回復し近く退院の予定だ。

重なった3つの幸運!もう1日遅かったら…

   それにしても、3日間飲まず食わずで、80歳という年齢を考えれば幸運だった。司会の加藤浩次は「精神的にも大変だったでしょうね」という。佐藤さんは「偶然がいい方向で重なったんですよ」と話す。重なった偶然とは、敬老会の出欠期限が迫っていたこと、女性は右手が不自由だったが、左手が空いていて壁を叩くことができたことだ。

   また、1日から4日までの平均気温は23度で、暑くなく寒くなく、過ごしやすい状態だった。医師によると、暑ければ熱中症に、寒ければ低体温症になった可能性があったという。