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脱原発票にようやく受け皿「嘉田新党」維新と対抗第3極浮上

   新たな新党構想が脚光を浴びている。乱立、混乱、混迷の第三極の中で、にわかに浮上した中心人物が滋賀県の嘉田由紀子知事だった。

   東京新聞によると、嘉田は埼玉県出身の62歳で、京都大大学院農学研究科博士課程を修了後、滋賀県職員、京都精華大教授を経て、2006年の滋賀県知事選で「もったいない」を合言葉に、民主、自民が推した現職候補をはねのけ初当選し、現在2期目である。東日本大震災後は、原発依存度を計画的に減らしていく「卒原発」を提唱してきた。

「生活」「減税」「みどりの風」合流の方向

   その嘉田が「脱原発」を旗印に新党結成の意向を固め、24日(2012年11月)には「国民の生活が第一(生活)」の小沢代表と会談、合流を含めた連携について意見交換しており、嘉田は「いろいろな人と調整したうえで」27日午後に新党について正式発表するという。

   日本維新の会ばかりが注目され、このままでは埋没しかねない小沢の反応はどうか。「かりに呼びかけがあれば、政策、主張を検討したうえで対応を決めていく」と語っているが、関係者によると、各候補者に(生活としての)パンフレットやビラの印刷を止めるよう指示が出たという。「減税日本・反TPP、脱原発を実現する党(脱原発)」や「みどりの風」も合流を含む連携を検討中という。

   嘉田新党を中心に3党連携(合流)が実現すれば、競合する選挙区がないうえ、バラバラで分かりにくかった「脱原発」組が一本化し、民主や自民、維新の会が掲げる玉虫色の「脱原発」と明確に主張を色分けできるメリットがある。

   脱原発については、今年3月から毎週金曜日に官邸前で脱原発デモを続けてきた市民団体が、ツイッターで「生活」や「みどりの風」などを支持する呼びかけを行うという。

小沢一郎にとって「渡りに船」

   コメンテーターの杉尾秀哉(TBS解説室長)は懐疑的だ。「小沢さんにすれば、維新の方が圧倒的に目立っており、このままいったら埋没してしまう。新しい顔として嘉田さんに飛びついたのだろう。でも、本当に嘉田さんで『顔』になるんですかねえ」

   これに三屋裕子(スポーツプロデューサー)はこう語った。「13も14も政党ができて選ぶのに迷ってしまう。ある程度、絞ってもらうとありがたい。しかも『脱原発』のたった3文字では、直ぐ止めるのか、時間をかけて止めるのか、その間の代替エネルギーはどうするのか広く考えなければいけない。民主党のように根拠もないのに『財源があります』に乗ってしまったのを繰り返すことにならないよう、よく吟味しないと」