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五輪招致に冷や水ぶっかけた女子柔道「暴力・パワハラ」世界の笑い者

   女子柔道日本代表の園田隆二監督(39)のパワハラ問題で、きのう30日(2031年1月)、全日本柔道連盟と日本オリンピック委員会(JOC)が会見した。明らかにされた経緯は以下のようなものだった。

   園田監督の暴力、暴言については、ロンドン五輪後の昨年9月に女子選手から通報があり、全柔連は監督、選手から聞き取り調査のあと、11月10日に監督から始末書をとり、厳重注意した。11月28日に監督が選手に謝罪し、事態は収束したとしていた。

   しかし、それより先の11月5日に園田の代表監督の続投が決まっていたため、選手は収まらず、12月4日にJOCに告発文を送った。内容は「殴られた」「胸を小突かれた」「平手打ち」「蹴った」「竹刀で殴った」「『死ね』といわれた」など。さらにトップ選手を含む15人が嘆願メールを送り、「人事の見直し」「解決まで合宿凍結」「第三者を入れた調査」を求めていた。

張本人・園田監督は「文書による軽い処分」で続投方針

   会見でJOCは選手の行動を「選手の声が柔道連盟で取り上げられない。練習に集中できないので、JOCに動いてほしいということだった」とし、園田監督の続投については納得はしておらず、「今後のヒアリングで」と含みをもたせた。全柔連は暴力などの事実を認め監督も反省しているとしたが、記者の「柔道界全体では(暴力が)ある程度許される体質があるのか」という質問には、小野寺弘史専務理事は「風潮は若干あったかなと思う」と答えた。園田監督については「「文書による戒告」という軽い処分を科しただけで、解任はぜず。「それで納得が得られると思うか」との問いに、「ハイ」と答えていた。

   しかし、全柔連の上村春樹会長は「ヒアリングの要望があればいつでもやる準備はある。新たなことが発覚したら、それから進むことになる」と修正の可能性に言及した。

   同じきのう、東京五輪招致委が東京でのオリンピック支持率が70%を超えたと発表したが、女子柔道の騒動はこれに冷や水を浴びせるものだった。海外でも大きく伝えられた。フランスで代表コーチも勤めた溝口紀子さん(パルセロナ・銀メダル)は、「柔道には他のスポーツにはない自制心とか自己鍛錬とか礼儀とかが求められる柔道文化だ。フランスでは選手がノーといってくる。立場はコーチと対等。園田監督は熱心だが、行き過ぎがあったら『やめてください』と言えないといけない。柔道が先頭を切って体罰撲滅しないと」という。

組織ぐるみで握りつぶし謀った全柔連

   司会の加藤浩次「ちょっと考えられない。トップ選手が全柔連を飛び越えてJOCに訴えたんですからね」

   キャスターのテリー伊藤「これからヒアリングするなんて、何を言ってるんだ。全く選手を無視している。監督への裁定も甘い」

   会見に出た西村綾子レポーターは「選手たちが本当に助けを求めていたんだなということがよくわかりました。嘆願の『人事の見直し』というのは、監督を代えてほしいという意思表示ですよね」

   加藤「監督の入れ替えだけじゃないような気がする」

   テリー「大阪桜宮高校に置き換えれば、監督も校長もそのままということですよ。全柔連の上村春樹会長は園田監督の大学の先輩。監督は多分代わるだろうが、体制はそのまま。新しい監督がきても15人の選手はいびられる」

   加藤「告発した選手は(今後の日本代表に)選ばれない可能性もありますかね」

   テリー「自分の指導不足を棚に上げて相手を殴ってる。それを5年、10年続けてる。選手はたまったもんじゃない。世界中の笑い者になって、9月7日の五輪招致にも負ける」

   来月はじめのパリの大会は園田監督体制で臨むことになっている。こんなことで試合になると思ってるのか。